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 「JAS法の品質表示の適用範囲の拡大について」の意見を提出しました。
 農林水産省ではミートホープ社がおこした不正行為で、加工食品やその表示に対して消費者が不信感を抱いていることから、「食品の業者間取引のあり方検討会」を立ち上げ、10月に「JAS法の品質表示の適用範囲の拡大について」をまとめました。
 全国消団連では、このまとめに対しての意見を提出しました。



農林水産省消費・安全局 表示・規格課
表示のあり方検討会担当 御中

2007年11月28日

全国消費者団体連絡会
事務局長 神田敏子
東京都千代田区六番町15
                        TEL:03-5216-6024
 

「JAS法の品質表示の適用範囲の拡大」についての意見
 

 加工食品の原材料供給者であるミートホープ社が行った不正行為は、消費者の事業者に対する不信感はもとより、加工食品に対する不信感、更には食品表示への不信感も大きく増幅させました。この不信感を払拭し、信頼を回復させるための適切な施策を早急に実施する必要があります。

 今回、貴省はすばやく「食品の業者間取引の表示のあり方検討会」を設置し、JAS法の適用範囲拡大に向けて検討し「食の安心に対する消費者の信頼確保に向けて」をまとめました。その内容について、概ね評価するものですが、以下にいくつか意見を申し上げます。


 消費者はこれまで、加工食品の製造業者等が原材料の調達から商品の出荷まで責任を持ち、正しい表示を行うべくその義務を果たしているものと理解してきました。しかし、今回のミートホープの問題を通して、直接表示の責任を負っている製造業者等にのみ義務を課していたのでは正確な表示が履行されないということが明らかになりました。もちろん製造業者は、今後も原材料を確認し、正しい表示を行う責任をきちんと果たす必要がありますが、その信頼性を増すためにも、原料供給者間の取引についても表示義務の対象とすべきだと思います。また、悪質な行為に対しては厳しく取り締まる必要があり、そのための体制を強化すべきです。

1.基本的考え方については賛成です。

 加工食品においても原料供給者間の取引ついて表示義務を課すべきです。「全ての加工食品に生鮮食品と同様、原料供給者との取引について表示義務を課し、抑止力を高めることが適当」であり、そのことにより、最終製品の表示の正確さに繋がると考えます。

2.表示の根拠となる書類の保存は義務化すべきです。

 業者間取引の表示情報伝達の方法については実行可能性が高く事業者の追加的負担が少ない制度とすることは妥当と考えすが、送り状や規格書等表示根拠となる書類の保存については「努めなければならない」ではなく、義務化すべきです。その点に曖昧さが残ると、また、間違いや不正行為につながる恐れがあるからです。

3.できるだけ早急に実施してください。

 これまでの商慣行を踏まえ、実行可能性が高く、事業者の追加的負担が少ない制度だと思います。また、消費者の不安や不信感を取り除くためにも、できるだけ早急に実施に移すことを望みます。

4.食品表示の指導・監視体制の強化が必要です。

 悪質行為や不正行為をなくし、また、再発防止のためにも、調査体制や現場での適切な指導・助言ができる職員の育成、そして、事業者の改善指導の徹底などを行う必要があり、そのための体制整備を望みます。

5.不正競争防止法など他法令の活用と相まった効果も期待します。

 今回の「JAS法の品質表示の適用範囲拡大」に期待するものですが、悪質な行為については厳しく取り締まる必要があります。不正競争防止法など他法令を積極的に活用してください。関係機関との連携を強化しながら、この問題に臨んでください。