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CIが世界消費者権利の日に向けて、「非倫理的な薬品販売問題」に関する声明を発表しました。



2007年3月13日

CIプレスリリース(抄訳):2007年世界消費者権利の日に際して
〜世界の消費者団体は非倫理的な薬品販売による健康への重大な影響を警告〜
 

 3月15日は「世界消費者権利の日」です。CI(国際消費者機構)および世界の消費者団体は、本年の「世界消費者権利の日」に際して、非倫理的な薬品販売による健康への重大な影響について警告を発します。CIおよび会員団体は、薬品業界の悪しき商業慣行をやめさせるよう各国政府に要求します。

 なぜなら、非倫理的な薬品販売は薬の効能について消費者に誤解を与えており、Merck社のVIOXXやGlaxoSmithKline(GSK)社のSeroxatのように健康に危害を与える可能性さえあります。CIの調査では以下の点が明らかになりました。

・違反行為が蔓延

 CIの調査”Branding the Cure”によれば、2002年から2005年にかけて、製薬業界が英国製薬工業協会(ABPI)の行動規範に違反した件数は972件と驚くべき件数に上りました。さらに、調査した20社のうち18社が資金提供先および販売促進方法についての回答を拒否しました。

・不正確な情報提供の下におこなわれる薬品販売

 GSK社のホームページは抗鬱薬のページにも消費者がリンクできるようになっていますが、これは製薬業界が不充分な情報提供の下に薬品販売をしている一例にすぎません。さらに、同社はこのホームページをアメリカの消費者向けと主張していますが、利用者の半数以上はアメリカ人以外であり、処方薬を直接消費者に宣伝することが禁じられているカナダ、インド、南アフリカ、イギリスの利用者も含まれています。

・病気の宣伝は魅力的

 最近よく見るウェブ上の自己診断クイズも、薬品に対する需要を掘り起こすため業界が採り始めたオンライン販売戦略の一つです。Pfizer社のバイアグラのホームページでは、バイアグラの効用をアップするためと称して、消費者に性の健康に関する質問に回答させるようになっており、これも70%以上はアメリカ人以外が利用しています。

 これらの証拠が示す通り業界の自主規制は充分に機能しておらず、消費者保護のため政府はより一層の対策をとる必要があります。CIは「消費者権利の日」を契機に、世界中の会員団体とともにこの問題に焦点を当てていきます。

・オーストラリアでは、

 CI会員のCHOICEは政府に対して、薬品販売への監視を強め、医療行為への影響および保健制度へのコストアップ圧力に注視するようロビー活動を展開しています。

・ヨーロッパでは、

 CIと欧州消費者機構(BEUC)が、EUが現在見直しを進めている患者への情報提供のあり方について、情報提供と称した処方薬の対消費者直接宣伝(DTCA)に道を開くものだと異議を申し立てています。

・アフリカでは、

 CI会員であるジンバブエ消費者評議会(CCZ)は、非倫理的な薬品販売が消費者に与えかねない危害について啓蒙活動をおこなう予定で、消費者に自身の体験を証言するよう求めています。