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消費者団体訴訟制度(団体訴権制度)の早期実現を求めるアピール
 

 本日「消費者団体訴訟制度の導入をめざす5.20集会」に集った私たち消費者は、本年4月に閣議決定された消費者基本計画で導入検討が盛り込まれ、次期通常国会に法案が提出される予定の「消費者団体訴訟制度(団体訴権制度)」について、下記の通り制度の早期実現を求めます。
 

1.消費者団体訴訟制度の早期実現を求めます

 契約や勧誘に関する消費者トラブルは急増しており、消費者契約法等に反する不当な契約条項と勧誘行為の差止めを求めることができる消費者団体訴訟制度の早期実現を求めます。現行の消費者契約法のもとでは、既に被害に遭ったケースについては個別に救済を求めることができますが、被害の原因となる不当契約条項・勧誘行為を差し止めることができない仕組みになっており、そのことがさらなる被害の広がりを生んでいます。消費者被害の拡大を防止し市場の健全化をはかる制度として、次期通常国会での実現を求めます。

 なお、当面消費者契約法を中心に差止めの範囲で本制度を実現していくことには賛成ですが、独占禁止法・景品表示法・特定商取引法などの消費者関連法についても導入の検討を早期に開始すること、被害救済・不当利得の吐き出しにつながる損害賠償制度についても検討を開始することを求めます。
 

2.制度の実現にあたっては、下記の点を求めます

(1)適格消費者団体の要件を過度に限定すべきではありません

 本制度の担い手となる適格消費者団体について、事業者からの独立性を厳格にするあまり、事業活動を行っている消費者団体や生活協同組合、個人事業者としての弁護士・司法書士などが、適格団体の運営に責任をもって関われない事態を招来することは避けるべきと考えます(適格団体の人的基盤・財政基盤などの確立が著しく困難になります)。

(2)被害発生地での提訴を可能にするべきです

 消費者被害は全国的に拡大しています。とりわけ悪徳事業者は、本店所在地から離れた地域で、悪質な行為を行っている事例が見られます。提訴可能地を事業者の本店所在地に絞ると、被害発生地で被害者の実情をふまえてその地域の消費者団体が提訴することが困難になります。費用面でも、消費者団体の負担がいっそう大きくなります。裁判管轄について、被害発生地での提訴も認めるべきです。

(3)過剰な濫訴防止措置には反対します

 事業者の中には濫訴・濫用を懸念する意見もありますが、今回検討されている制度は、一定の要件を満たす消費者団体のみに訴権行使が認められること、訴訟の範囲は差止請求に限られており原告には金銭的な見返りがないこと等を踏まえて、濫訴防止措置は過剰なものにならないようにすべきと考えます。一部事業者が主張する、担保提供制度など民事訴訟法の原則を超える措置の導入は、制度の活用を困難なものとするため反対します。
 

2005年5月20日

消費者団体訴訟制度の導入をめざす5.20集会
(連絡先:全国消費者団体連絡会)