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全国消団連では、5月26日、別紙のような緊急アピール「橋梁談合を消費者・市民は決して許さない 〜 徹底した真相解明と責任追及を!」を出しましたので紹介します。




2005年5月26日

<<緊急アピール>>
橋梁談合を消費者・市民は決して許さない
〜 徹底した真相究明と責任追及を!! 〜

全国消費者団体連絡会
 

 公正取引委員会の刑事告発により、名だたる大企業を含む相当数の事業者が、鋼鉄製の橋梁工事入札にあたって談合を繰り返していたことが、白日のもとに曝されました。

 今、国・地方自治体の財政は危機的状況にあり、財政支出の見直しは急務であるにも関わらず、企業が談合による不当利益をあげ、そのツケを消費者・市民が負うとは許しがたいことです。
 

1.

公正取引委員会及び検察当局は、捜査の手を緩めることなく、徹底的に真相究明を行い、責任を追及するべきです。

今回の事件は、独占禁止法に違反し、市場での公正な競争が阻害され、税金の無駄遣いが堂々と行われており、消費者・市民の不信を招いた重大な事件です。報道によれば、昨年10月の公正取引委員会の立ち入り調査後も業界組織で談合が行われています。公正取引委員会・検察当局は、これら談合した業界組織・企業について徹底的に捜査を行い、真相の究明と責任の追及を行うべきです。
 

2.

国土交通省は、公共事業の発注制度を早急に見直すべきです。

国土交通省は2001年以降、入札改革に取組んでいるとの報道がありますが、今回の談合は2003年、2004年に行われていた疑いがもたれています。談合が行われると落札率が高くなると言われています。国土交通省は談合に気づかなかったのでしょうか。繰り返し談合を行っていた企業に公共事業の発注をし、消費者・市民に莫大な損失を与えていた責任は重大です。ダンピング防止も安全性確保の観点から重要ですが、入札談合は納税者に莫大な損失です。鉄鋼製橋梁の市場規模は約3千数百億円にのぼると言われています。社会的損失はどれほどのものなのか明らかにし、再発防止に繋げる必要があります。行政当局として説明責任を果たすべきです。
 

3. 今回の摘発を受けて、独禁法の抜本的改正に向けて論議を開始すべきです。

今国会で成立した独占禁止法改正については、日本経団連や一部の国会議員等の強硬な反対論がありました。「独占禁止法研究会報告書(平成15年10月公表)」及び「独占禁止法改正の基本的考え方(同年12月公表)」、「独占禁止法改正(案)の概要(平成16年4月公表)」と議論を経る中でその内容は後退し、成立までにさらに1年かかった(平成17年4月20日成立)という経緯があります。

課徴金算定率は妥当か、寡占独占の規制は本当に必要が無いと言えるのか、再発の抑止力になり得るのか、2年後の見直しに向けて早期に検討を開始すべきです。
 

4.

日本経団連も今回の談合事件について説明責任を果たすべきです。

今回の談合組織の幹事社8社はいずれも日本経団連の主要企業です。企業の社会的責任を果たすリーダー格とも言えます。日本経団連の「企業行動憲章」では「公正、透明、自由な競争ならびに適正な取引を行う。」としています。また、昨年来の独禁法改正の論議においては、日本経団連はコンプライアンス経営を前提に、課徴金の引上げなど法改正に消極的でした。今年4月には、奥田会長のコメントとして、独禁法の抜本改正に向け早期の検討を期待するとのコメントが報道されています。日本経団連として今回の事態を受けての見解、また独禁法の抜本改正についての考え方を速やかに明らかにすべきです。