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2005年4月14日

消費者基本計画の閣議決定に当たって
 

全国消費者団体連絡会
 

 消費者基本計画が、4月8日の閣議において決定されました。今回策定された基本計画は、消費者基本法に基づき初めて作成された計画であり、消費者政策を計画的に推進するために作成されたものとして評価します。
 

1. 「基本計画」策定に当たっては、消費者意見を聞きながら作業がすすめられ、不十分な点は残しつつも、消費者意見を反映した計画として作成されました。

 昨年より全国消団連では、基本計画について、戦略的課題、推進体制、盛込むべき個別課題ついて検討を行ってきました。11月には、内閣府と共催で東京と大阪の2ヶ所で「消費者基本計画策定に向けたフォーラム」を開催し議論に参加してきました。また、1月にはパブリックコメントへの対応、2月に内閣府と意見交換会を行うなど、消費者意見の反映に向けて積極的に取組んできました。こうした取組みを通じて、不十分な点はありますが、計画への消費者意見の反映がでました。
 

2. 重点的な取組み課題についてのアクションプラン型計画となったこと、計画の推進体制の充実・強化が明記されたことを評価します。

 「基本計画」では、今後の重点的取組み課題が提示され、要望していたアクションプラン型となったことは、従来の消費者保護会議のスタイルと比べ前進と言えます。アクションプラン型の計画であることから、検証・評価・監視を毎年行い、国民生活審議会の意見を踏まえながら、必要な見直しを行うこととしました。

 個別重点課題では、消費者団体が求めていた消費者教育について、学校教育も含めて体系化を検討していくことになりました。消費者団体訴訟制度については、独禁法・景表法での導入検討が盛り込まれました。しかし消費者トラブルの多い特商法では見送られ、損害賠償についての訴訟制度の検討も盛り込まれませんでした。今回の計画では、個々の重点課題で評価できる点と引き続き検討されるべき課題が残りました。

 「基本計画」を実施していくためには、その体制確保が必要で、消費者団体から強く要望していました。消費者基本法の理念に基づき総合的な政策の推進のためには、関係省庁における消費者政策の推進部局や消費者窓口等、体制整備が必要です。今回の「基本計画」では、計画の実効性確保のために各省庁での推進体制の充実・強化が盛り込まれました。今後は、各省庁での具体化が求められます。
 

3.計画の検証・評価・監視の具体的な進め方を示すべきです。

 「基本計画」の検証・評価・監視がどのように行われるのか、まだ明示されていません。実施時期・スケジュール、評価方法、また検証・評価・監視の結果に関する情報提供方法・時期、消費者の関与・意見交換のあり方等、どうすすめられるのか、明らかにしていく必要があります。

 今回の「基本計画」が実践に移され、暮らしの中で「消費者の権利」が保障されるために、政府が一体となり強力に推進されるよう期待します。あわせて、消費者団体として、計画の検証・評価・監視や計画の見直し論議に積極的に参加していきたいと考えています。また、消費者の「基本計画」についての理解がすすみ、消費者政策への消費者参加がすすむよう、会員団体とともに取組んでいきたいと考えます。