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文化審議会著作権分科会法制問題小委員会に「レコード輸入権」問題についての意見を提出しました。



2003年11月12日

文化審議会著作権分科会
法制問題小委員会 御中

全国消費者団体連絡会

「レコード輸入権」問題についての意見

 日本のレコード・音楽用CD等は、法的に再販制度で保護されていることから、日本の消費者はCD等について高い価格のものを買わざるを得ず、レコード輸入権のない現時点でも、業界利益が保護され、消費者利益が損なわれている現状にあります。世界的に見ると、レコード盤・音楽用CD・音楽用テープについて法的に再販制度を認めている国は他にありません。

 1998年1月に公正取引委員会の研究会でまとめられた報告書「著作物再販適用除外制度の取扱いについて」(公正取引委員会・再販問題検討のための政府規制等と競争政策に関する研究会)においても、「音楽用CD等」については、「諸外国の動向をみても、音楽用CD等に再販制度を認めている国は存在せず、音楽用CD等の再販制度を廃止した場合に我が国で特に問題が生じるとはいえないと考えられる」としています。

 このような世界に例をみない音楽用CD等の再販制度が維持されたまま、「レコード輸入権」を創設することは、輸入による価格競争さえなくなることから、日本の消費者利益を著しく侵害するものといわざるを得ません。

 以上の基本認識に立ち、貴委員会にて、検討がすすめられています「レコード輸入権」問題について、消費者の立場から意見を申し述べます。私どもの意見を今後の審議に反映してくださるようお願いします。

  1. 「レコード輸入権」の検討については、音楽用CD等に対する再販制度の問題を含めて、公正な市場を形成するという視点をふまえた議論を行うべきであり、性急に結論を出すことに反対します。
     
    今回の検討内容と論点を広く国民に明らかにし、消費者団体はじめ、広く消費者・国民からの意見を聴取するとともに、経済法や消費者利益等の角度からの検討も慎重に行うなど、総合的に検討の上、結論を出す必要があります。制度の内容や論点が広く消費者・国民に明らかにされていない現時点で、性急に結論を出すことには絶対反対です。
     
  2. 「知的財産推進計画」に定められているように、「消費者利益等の観点を含めて総合的に検討」することが必要であり、そのことを担保するために、内閣府・国民生活局や公正取引委員会などを含む関係省庁で協議の上、消費者団体を含む幅広い関係者・学識者が参加する「総合的な検討の場」をあらためて設置することを求めます。