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全国消費者団体連絡会は、5月28日の国民生活審議会消費者政策部会で「21世紀型の消費者政策の在り方について」がとりまとめられたことを受け、今後の消費者政策の具体化のすすめ方について要請書を提出しました。




2003年5月28日

内閣府 国民生活局
局長 永谷 安賢 様
全国消費者団体連絡会
事務局長 神田 敏子
住所:千代田区六番町15 プラザエフ6階
電話 03-5216-6024
FAX 03-5216-6036

 

 国民生活審議会消費者政策部会において「21世紀型の消費者政策の在り方」がとりまとめられました。これまで、熱心に議論をすすめてこられた委員のみなさまに敬意を表するとともに、貴職をはじめとした事務局のみなさまのご苦労をねぎらいたいと思います。

 「21世紀型消費者政策の在り方」では、消費者の権利が明示され、その実現のため消費者政策の展開の必要性が述べられています。また、消費者団体がながらく要望してきた「団体訴権」も具体化に道筋がつけられています。さらに、消費者の権利を明確にする消費者保護基本法の見直しの方向性も記述されています。一方で、「公益通報者保護制度」が保護の対象を大変狭く設定しているといった問題もありますが、その他の項目については、大筋では評価できる内容と考えております。

 ただし、今後どのように具体化がすすめられるかが重要な点であり、消費者団体としても積極的に今後の具体化に参画していきたいと考えます。

 そのような認識をふまえ、今後の具体化に関して、以下要請いたします。

  1. 「21世紀型の消費者政策の在り方について」で記述されている内容について、どのように具体化をすすめるのか整理・公表するとともに、様々な機会を設けて、消費者団体の参画のもとに制度の具体化をすすめられるよう要請します。
    「21世紀型の消費者政策の在り方について」は、さらに検討を求めたい点もありますが、「第3章消費者政策の展開」、「第4章・第5節消費者団体訴訟制度」や「第5章 消費者保護基本法の見直し」など、早急に具体化をすすめていただきたい事項も多々あります。
    多岐にわたる総合的な内容となっていますので、それぞれの項目について、所管の省庁を明確にし、法改正が必要なものとそうでないものに峻別し、施策の実施時期の目標を示すなど、今後の具体化の計画を整理・公表したうえで、着実に実施されるよう求めます。また、国民生活審議会への進捗状況の報告と討議などをはじめ様々な機会を設けて、消費者団体の意見・要望も反映しながら施策の具体化をすすめられるよう要請します。
     
  2. 国の推進体制について、さらに具体的な議論を開始することを要請します。
    「第4章 第1節 1.国の推進体制」において「企画・立案・調整・推進することのできる機能強化」の必要性が述べられ、「消費者行政関係部局・機関間の連携を強化」し、「迅速な対応が行える体制整備を図るべき」とされています。そして、消費者保護会議については、この間の消費者政策部会の議論で形骸化が指摘されたこともふまえ、その改革の必要性が述べられています。
    今後は、これらの記述にふさわしい消費者保護会議の改革と国の体制整備がすすめられることが期待されます。国の推進体制については、消費者保護基本法の見直しをすすめる際にも、重要な検討事項です。必要とされる機能から考えて、どのような体制が望ましいのか、今後具体的な議論を開始されるよう要望します。
     
  3. 公益通報者保護制度の具体化にあたっては、より慎重な検討が必要です。
    「第4章 第4節 公益通報者保護制度の整備」に関して、制度全般を対象にして反対解釈の禁止を明記したことは、一歩前進と考えます。しかし、この間、国民生活審議会消費者政策部会で発言があいつぎ、私ども意見を述べていますように、対象となる公益の範囲や対象となる労働者の範囲、ならびに外部通報の要件緩和など、実効性のある制度とするために改善すべき点は多いと考えられます。今後パブリックコメントなどを通じて、より広い世論の動向もふまえ、慎重に制度の具体化を検討されるよう要望します。