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2003年5月23日参議院本会議において「個人情報保護法」が成立しました。
「真に消費者・市民のための個人情報保護法制の確立」を求めてきた全国消団連では、その第一歩を踏み出したものと捉えています。
しかしながら、「個人の権利尊重」の観点から不充分な点が多々あります。




2003年5月23日

全国消費者団体連絡会
事務局長 神田敏子
東京都千代田区六番町15 プラザエフ6階
電話 03-5216-6024  FAX 03-5216-6036
電子メール webmaster@shodanren.gr.jp

 

 「個人情報保護法案」は2001年3月27日国会上程(第151回国会)されましたが、メディア規制法案であるとの世論の中2002年12月には審議未了で廃案となりました(第155回国会)。2003年3月7日報道・表現の自由に配慮する観点から大幅な修正を加え再度国会上程(第156回国会)、本日参議院本会議において「個人情報保護法」の成立をみました。

 当会では、「真に消費者・市民のための個人情報保護法制の確立」を求めてきた立場から、今回の「個人情報保護法」の成立についてはその第一歩を踏み出したものと捉えています。
しかしながら、今回の法律は基本原則部分が削除されたことにより「個人の権利尊重」の理念が不明確になったと言わざるを得ません。又、個別の具体的規定においても「個人の権利尊重」の観点から不充分な点があります。

 基本方針の策定及び法律の運用にあたっては衆参両院・特別委員会の附帯決議を最大限尊重し下記の点について留意されることを求めます。

  1. 事業者及び行政は、本人が適切に自己情報に関与できるように「取得に際しての利用目的の通知」「第三者提供」については本人への通知を原則に運用するべく最大限の努力をして下さい。又、「グループ利用」については懸念があります。いたずらに範囲を拡大することのないよう求めます。
     
  2. 主務大臣の恣意的な権限行使を避けるために勧告・命令を行った場合にその内容を国民生活審議会に報告し公表する等なんらかののチェック体制を確立してください。 
     
    一方、権利侵害にあった場合に、何人も申し出ることができるとしている行政の相談窓口体制についても充実・強化を急ぐとともに再発防止に繋がる仕組みを構築してください。
     
  3. 医療、金融・信用、情報通信、教育等、特段の個人情報の保護が求められている分野について早急に個別法の検討を開始してください。
     
  4. 取り扱う個人情報の量からみて個人情報取扱い事業者から除かれるものを政令で定めることになっています。小規模な悪質事業者が法の網をくぐることが懸念されるところであり運用上の工夫が必要です。
     
  5. 行政及び事業者は法の精神を肝に命じ早急に「個人情報保護体制」構築に着手してください。