[このページについてのご意見、お問い合わせなどはメールにて webmaster@shodanren.gr.jp までお送りください。]

全国消団連・トップページへ戻る

食品安全基本法案、食品衛生法の一部改正法案の国会上程にあたって
今通常国会での十分な審議と成立を要請します。




2003年3月12日
全国消費者団体連絡会
両法案は食品安全行政の枠組みを前進させるものと評価します。

 食品安全基本法案と食品衛生法の一部改正法案が政府提案として閣議決定され、今通常国会に上程されました。私たち消費者は、食衛法改正と充実強化を求める国会請願活動を始めとして、今日的な食品の安全を確保する社会システムを求める運動を進めてまいりました。私どもが各方面に要望してきた多くの点が反映された今回の両法案の成立について、期待を寄せています。
 両法案では「国民の健康保護」や「食品の安全性確保」が法の目的に明記されると共に、国・都道府県等の責務規定やリスク分析手法の導入の明記、新しい行政組織として食品安全委員会の設置などが盛り込まれました。これらの事項は、これまで法体系上は公衆衛生の確保という位置付けしかなかった日本の食品安全行政の枠組みを前進させるものであり、今国会で実現をはかっていただきたいと考えます。
 同時に、法律と制度的枠組みができても、そのことが効果を生むかどうかは、これがどのように運用されるかにかかっており、その点について国会でも十分に審議されることを求めます。

今後の十分な国会審議を要請します。

 具体的には、制度運用のあり方について、次のような点がまだ十分にあきらかになっていません。
  1.  リスクコミュニケーションのあり方としての消費者の参加・意見反映を具体的確保するための方策。
    特に、食品安全委員会を構成する専門家の中に、消費者の立場から意見を述べることができる委員を入れるべきと考えます。また、すでに環境の分野では、市民が参加するリスクコミュニケーションの実践例があり、その点も参考にして参加・意見反映の方策を豊富化していくべきです。

  2. 食品表示に係る「消費者の商品選択に役立つこと」、「衛生上の事故・危害の防止(食品の安全の確保)に役立つこと」、「正確で誤認を生じさせないこと」等の原則的事項の規定等の整備

  3. コーデックス委員会のコンタクト・ポイントを食品安全委員会への移行と、国内コーデックス委員会の設置。
これらの点がどのように規定・運用されるかは、食品の安全を願う国民の多くが注目しているところです。国会で、特別委員会などを設置し、具体的な審議が行われるよう要請します。

国民の意見が充分に反映される審議を求めます。

 昨年、内閣府・食品安全委員会設立等準備室や、厚労省・食品衛生法等改正骨子案に関する意見交換会が開催されました。また現在も、食品安全行政についての意見交換会が開催されているところです。こうした意見交換会には多くの消費者が参加しており、その意見を政策や制度運営に積極的に反映することは、リスクコミュニケーションの具体的な一つのあり方です。
 今国会の審議においても、公聴会など国民からの意見を聴く場を設け、リスクコミュニケーションの実施規定の審議にふさわしいすすめ方を行われるよう求めます。
以上