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雪印食品の国産牛偽装事件に対して事務局長コメントを発表しました。


雪印食品の国産牛偽装事件について
2002年1月24日
全国消費者団体連絡会
事務局長 日和佐信子
 雪印食品が、輸入牛を国産牛と偽り、国に買い上げさせていた事件が明らかになった。BSE(牛海綿状脳症)問題の対応のため全頭検査以前の牛肉を処分する国の施策を悪用した犯罪であり、消費者としても納税者としても決して許すことができない事件である。農林水産省・兵庫県の調査、ならびに警察当局の厳正な捜査にもとづいた厳格な処罰を求める。また、残念ながらこのような事態が起こった以上、BSE関連の諸対策が適正に運営されるよう、行政チェックを強化する必要がある。

 雪印食品は、雪印乳業の子会社である。雪印乳業は、一昨年、集団食中毒事件を引き起こし、社会的に厳しい批判を受けた。それにもかかわらず、その子会社がこのような事件を起こしたことは、雪印グループの体質問題であると断ぜざるをえない。雪印グループとして、一連の事件をどう受け止め、法令遵守、商業倫理確立、消費者重視の体質を構築していくのか、消費者は厳しく見ている。目に見える努力と結果がでなければ、消費者から更に見放され、経営的にも厳しい打撃をうけるであろう。

 さらに言えば、企業の消費者軽視、法令軽視の体質は、ひとり雪印グループだけの問題ではない。増えつづける契約問題に関する消費者相談や、一昨年の三菱自動車のリコール隠しなどが如実にそのことを語っている。程度の差こそあれ、それぞれの企業において、同様の体質や問題のある事業運営がないか振り返ってみるべきである。

 今回の事件は、「内部告発」によって明らかになったと報道されている。内部告発を行った者が、賞賛されこそすれ、今後不当な圧力にさらされないようにする必要がある。イギリスなどで導入されている「内部告発者保護制度」について、日本での実現のために検討をすすめるよう、国会議員ならびに行政機関に求めるものである。


この件についての問合せ先
全国消費者団体連絡会

電話03−5216−6024
FAX03−5216−6036