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消費者・市民の参加で豊かな司法制度改革を実現しましょう。


消費者・市民の参加で豊かな司法制度改革を実現しましょう。

 司法制度改革推進法案が11月9日参議院本会議で可決成立しました。これを受けて、政府は推進本部を年内に内閣に設置し、司法制度改革審議会意見書にそった改革を3年間の期限ですすめることとしています。

 審議会意見書は、法曹人口の拡大、裁判官・検察官の大幅増員、刑事裁判に限定して国民が裁判官とともに事実認定や量刑判断を行う「裁判員制度」の導入、裁判官の任命について諮問機関を設けるなど、今後の具体化によっては、消費者・市民が参加でき、利用しやすい司法制度の実現につながる可能性を持っています。

 その反面、労働関係事件や、行政に対するチェック機能、団体訴権など、検討が先送りにされた課題もあります。代用監獄や取調べの適正さの確保など刑事事件に関する問題については認識が十分ではない等、問題点も多くあります。
 また、弁護士費用の敗訴者負担については、一定の要件のもとでの導入の方向を示しつつも、一律に導入してはならないこと、特に訴えの提起を萎縮させるおそれのある場合は導入しないことなどが意見書にもりこまれました。

 いずれにしても、今後、どのような制度として具体化が図られていくかが大変重要です。
 成立した司法制度改革推進法は、司法制度改革審議会の意見書にもとづいて、制度改革をすすめるために、改革の基本理念とその推進体制を定めた法律です。しかし、意見書に盛り込まれている前進的な面が必ずしも、はっきりわかるように記述されていません。また、国民参加の意味については、国民の理解の増進と信頼の向上という側面のみがふれられ、国民が主権者として裁判に関与するという視点に欠けています。さらに問題なのは、推進体制について、推進本部を閣僚で構成することしか記述されておらず、制度の具体化を検討する過程での国民参加が保障されていないことです。

 このような点が危惧され、国会での審議を通じて、推進体制への国民の意見の反映、改革作業の情報の透明性確保、などを内容とする附帯決議がつけられました。今後、附帯決議の趣旨が生かされ、司法制度改革の具体化にあたっては、多くの消費者・市民が検討過程に参加し、意見表明ができるようにするべきです。

 審議会意見書は、「法の下ではいかなる者も平等・対等」という理念のもと「ただ一人の声であっても、真摯に語られる正義の言葉には、真剣に耳が傾けられなければならない」と高らかにうたっています。国民が自らの権利・利益を確保、実現できる司法制度へと改革するために、消費者・市民として、以下の点をぜひ実現させていきましょう。

  1. 「裁判員制度」の具体化にあたっては、裁判員の数を裁判官の数倍とするなど、市民として自立して裁判に関与できる制度にしましょう。

  2. 消費者被害の拡大を防止するために、差し止め請求ができるよう、消費者団体に団体訴権を認めさせましょう。

  3. 弁護士費用の敗訴者負担は、個人が企業を訴える消費者訴訟や、政策形成訴訟を提起することを困難にします。弁護士費用の敗訴者負担は導入すべきではありません。

  4. 裁判とは異なり、当事者間で合意点をみつけるADR(裁判外紛争解決)の本来のあり方を学び、選択肢の一つとして実現させましょう。

2001年11月16日第40回全国消費者大会 全体会
(注)ADR:従来「裁判外紛争処理」と訳されていますが、ここでは、当事者同士が主体的に合意点を見つけ解決するという考えに基づき「裁判外紛争解決」と訳しています。