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雪印乳業による食中毒事件に関して、抗議と要請の文書を、雪印乳業宛に送りました。


2000年7月13日

雪印乳業(株)
代表取締役社長 石川哲郎 様

全国消費者団体連絡会

 貴社製品による食中毒事件に関する抗議と今後の対応への要請

 6月27日に発生した貴社の低脂肪牛乳による食中毒の被害者は、すでに14000人を超えています。牛乳はカルシウム源として欠かせない基礎的な食品であり、今回貴社が招いた事態に対して、私たちは大きな怒りをもって抗議します。
低脂肪乳に限らず「のむヨーグルト」も汚染されており、問題とされていた製造ラインから検出された菌は黄色ブドウ球菌ではなかったと報道されています。食中毒の発生から2週間以上が経過した現在でも、感染経路が特定されないという状況です。食品メーカーとして、信じられないずさんさです。
さらに、返品された商品を再度原料として使用し、その中には賞味期限切れの物の混在があったことや、屋外設置のタンクを利用しての脱脂粉乳の加工など、次々と報道されています。これらは、食品メーカーとしてのモラルハザードであり、許されるものではありません。
このような食中毒の発生はもちろん、その後の貴社の対応のずさんさに、消費者団体は厳しく抗議するものです。その上で、今後の対応として下記事項を求めます。

記 

   

  1.  感染経路をあらためて明確にし、いつからいつまでに製造したどの商品が汚染されていたのか1日も早く明らかにすること。
     この点に関しては、貴社はすでに当事者能力を失していると断じざるを得ません。保健所ならびに警察の調査に全面的に協力し、一切の情報を隠さず提供する事を求めます。
  2.  被害者はもちろん、酪農家および販売店などに対しても、誠実かつ十分な補償を行うこと。
  3. 苦情処理体制の抜本的な見直しを行うこと。
    今回の被害がこれほど大きくなった要因として、初期の苦情対応の失敗が指摘されています。消費者から腹痛の苦情が多数寄せられたにもかかわらず、消費者に対する告知や製品回収が遅れ、被害を拡大させてしまいました。二度とこのような事態を招かぬ様、苦情対応については経営トップの責任と位置づけ、全社的に取り組むことを明確にするとともに、疑義が生じるなど緊急時におけるマニュアル等の再整備と徹底をはかるべきです。
  4. 製造ラインの衛生管理を強化すること
     貴社は主要な工場においてHACCPを取得していましたが、今回事件を引き起こしたラインは臨時のラインと称してその対象からはずしていました。そのような対応によって今回の事態にいたった大阪工場に、食品工場としての資格はないと言わざるをえません。HACCPによる管理が名実ともに工場全体の衛生確保となるよう、他の工場においても、すべての製造ラインをその対象としルールを遵守した運営を行うべきです。

以 上
添付資料:全国消費者団体連絡会加盟団体一覧