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消費者契約法の成立にあたり、「消費者契約法」の早期制定のための全国ネットワークでは、声明を発表しました。


「消費者契約法」の早期制定のための全国ネットワーク
消費者契約法の制定を求める関西連絡会
京都・消費者契約法の早期制定を求める会
消費者契約法の早期制定をめざす首都圏ネットワーク
消費者契約法を考える市民ネットワーク・広島
消費者契約法中部ネットワーク
全国地域婦人団体連絡協議会
全国消費者団体連絡会

2000年4月28日

消費者契約法の成立をむかえて

 本日、消費者契約法が、衆議院についで参議院でも全会派の賛成で可決され、成立しました。

 この法律には、@事業者と消費者の情報力・交渉力の格差の存在が明記され、A適用除外がなく、B不当条項に一般条項が設けられており、消費者と事業者の間の基本的な取引ルールとして現状より一歩前進と言える内容となりました。与野党の関係議員のみなさまや、数年来審議会でご尽力いただいた学識者の方々など、関係各位のご努力に敬意を表します。

 一方、近年の規制緩和のもとで商品やサービスの多様化がすすみ、消費者契約をめぐっての消費者被害が急増している状況から考えると、今回成立した消費者契約法には、@事業者の情報提供義務が努力義務にとどまり、A誤認や困惑の要件が限定され、B取消期間が追認できるときから6ヶ月と短い、といった問題点があることを指摘せざるを得ません。

 事業者のみなさんには、消費者に対する情報提供や勧誘のあり方、契約内容について、この法律の水準にとどまらず、消費者指向の真摯な見直しを期待するものです。

 また、私たちもこの法律を消費者の間に広く知らせ、みずからの自由な意志で契約できる消費者、同法を活用し泣き寝入りしない消費者となるよう呼びかけてまいります。

 同法の附帯決議には、 消費生活センターやADRの充実強化、5年を目途とした見直し、差止め請求権・団体訴権の検討がうたわれています。

 同法の実効性を確保するためには、特に、地方自治体の消費生活センターの充実強化と都道府県の苦情処理委員会の活性化などの行政対応が早急に具体化される必要があります。地方自治体は財政難ではありますが、消費者契約のトラブルが増加している状況を鑑み、来年度予算の中で消費者行政を積極的に位置づけるべきです。消費者団体も各地方自治体への働きかけを強めていきます。

 5年を目途とした見直しにむけては、今回の法律で救済されない被害事例の収集や、裁判での判例の動向の集約などをすすめて、5年を待たずとも同法の不十分な点について必要な見直しが検討されるよう、問題提起を積極的に行っていきます。
 団体訴権・差止め請求権に関しては、司法制度改革審議会での検討を求め、その実現を目指していきます。

 私たち消費者団体は、弁護士や相談員などの専門家の方々と協力をいっそう強め、消費者契約法を活用し、附帯決議の内容を実現するため、いっそうの努力を重ねてまいります。

以 上