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1999年11月12日の第38回全国消費者大会全体会で採択された「消費者被害の救済に役立つ消費者契約法の制定を求める特別決議」を掲載しました。


消費者被害の救済に役立つ消費者契約法の制定を求める特別決議

 消費者を取り巻く社会経済状況の激変の中で、消費者契約をめぐるトラブルは増加の一途をたどっています。訪問販売法などの現在の消費者保護法制は、特定の業種だけを対象としたものであるために、そのすき間をねらった悪質商法に対しては無力です。悪質事業者だけでなく、信用度が高く、公正だと思われていた大手企業によって、深刻な消費者被害が引き起こされている例もあります。

 消費者契約法は、こうした消費者被害が事業者と消費者の間の情報量・交渉力の構造的格差を背景としていることに着目し、両者の間の公正な取引ルールを包括的に定め、消費者被害の救済と未然防止をはかることを目的に、検討されてきました。

 ところが、今年9月に国民生活審議会消費者契約法検討委員会に提案された、経済企画庁による「消費者契約法の内容(案)」は著しく後退し、このままではこれまでの消費者トラブルの解決水準をも切り下げかねない状況になっています。

 私たちは、消費者の被害救済と未然防止に役立つ、消費者の立場に立った消費者契約法の制定をめざし、以下の点を「消費者契約法の内容(案)」に盛り込むよう求めるものです。

1.消費者被害の救済を図るために、構造的格差のある事業者と消費者の間の公正な民事ルールを包括的に定めるという、消費者契約法の目的を再確認すること

2.事業者の情報提供義務を明確にするとともに、情報の不提供により誤認した場合にも契約の取消しが認められるようにすること

3.事業者の威迫困惑行為により、消費者が正常な判断ができない状況に陥って契約した場合に、契約の取消しが認められるようにすること

4.取消権の行使期間は、最低でも追認することができる時から1年、契約締結の時から5年とすること

5.消費者にとって不当に不利益な条項は無効とする旨の一般条項を設けること

6.事業者が一方的に作成した契約条項について、作成者不利の原則を明記すること

7. 実効性確保のために、消費者団体の事前差し止め請求権と訴権を認めること。

1999年11月12日 第38回全国消費者大会 全体会