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全国消団連 総会記念学習会
国民生活センター 最新情報「コロナ禍における消費者被害の現状」

 新型コロナウイルス流行の第4波がやってきました。いくつかの地域で「緊急事態措置」、「まん延防止等重点措置」が取られており、予断を許さない状況です。昨年から引き続き、コロナ禍に伴う消費者被害も拡大しており、その内容も給付金や予防接種状況の変化に合わせて新たな詐欺手口が生まれています。

 全国消団連では総会記念企画として、今後も新型コロナウイルス関連での消費者トラブルが発生すると思われるため、国民生活センターより消費者被害の現状をご報告いただきました。

【日時】2021年5月21日(金)14:00〜15:30

【開催形式】ZOOMを利用したオンライン学習会

【内容】報告「コロナ禍における消費者被害の現状」、質疑応答

【講師】国民生活センター 相談情報部長 保木口 知子さん

概要(事務局による要約)

新型コロナウイルス関連の消費者相談件数と相談事例

 2020年1月から新型コロナウイルス関連の相談件数を集約していますが、2021年3月までに9万2千件になっています。年間の消費者相談全体(架空請求を除く)90万件のうち、約1割が新型コロナウイルス関連の相談です。最初の緊急事態宣言が出された昨年4月は2万件以上の相談があり、5月も1万件以上でしたが、夏にかけては落ち着き、秋以降には月3千件前後で推移しています。今年4月3回目の緊急事態宣言下ではそれほど大きな動きはありません。

 相談事例で最も多かったのはマスク関連で、品不足のため怪しいサイトにネット注文して指定口座にお金を支払ったが品物が届かないといった事例です。このような事例のほとんどは銀行振り込みを指示しています。また、一方では注文した覚えのないマスクが届き、だれが何のために送ったのかわからない事例もありました。

 次に多かったのが、トイレットペーパー、消毒液、体温計などの商品・製品関連で、これもネット注文をしても品物が届かないという事例です。消毒液については有効性などの問合せが700件ほど入り、国民生活センターで商品テストも行っています。コロナ感染が広がるにつれて血中酸素飽和濃度を測る「パルスオキシメーター」についても相談が寄せられました。

 またスポーツクラブ、ヨガ教室などの解約・休会に伴うトラブル、春先は大学生などの賃貸アパートの解約、旅行関連、結婚式関連などがありました。たいていの場合、サービスが継続的に提供されるようになると収まりました。しかし、旅行・結婚式関連は初期の頃とは傾向は変わりましたが現在も相談が入り続けています。

 詐欺的な悪質商法では、1年前の今頃は、特別定額給付金の申請に必要と言われ通帳とキャッシュカードを持っていかれた、給付金を振り込むための口座を聞かれたなどの給付金関連相談に加え、7月頃からは、学生やサラリーマンが自営業者向けの持続化給付金の不正受給を勧められたという相談がありました。不正受給は犯罪です。若い人が無知ゆえに犯罪歴を作ることのないよう対応には苦慮しました。

 国民生活センターでは、昨年5月から9月中旬まで、「新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン」を特設し、関係機関と連携しこれらの相談にあたりました。

新しい消費生活様式 インターネット通販のトラブル増加と相談事例

 2019年度からインターネット通販のトラブルが急増し、2018年度の年間相談件数は2.3万件だったものが、2019年度には5万件、2020年度は5.5万件になっています。主なトラブル事例には、「お試し定期購入」「オンラインゲーム」「偽(ニセ)サイト」「サービス契約」があります。

 「お試し定期購入」は、健康食品、化粧品などの複数回購入の条件に気づかず10〜20代の人がお小遣いで支払えると思って注文してトラブルになっているケースも目立ちます。スマートフォンの注文画面では、何度もスクロールしないと複数回購入条件などの重要事項が見られないことも多くなっています。解約はいつでもできるとうたっていても電話がつながらない、特殊なアプリを入れないと解約できないなどです。トラブルは老若男女問わず多く、国民生活センターでは随時注意喚起を行ってきました。若者向けには子どもサポート情報というチラシを作って親や教師への情報提供やサイトの記載について都度事業者に改善を求めていますが、なかなかトラブルが減少しない状況です。

 「オンラインゲーム」は、学校が休みになったり友達と遊ぶ機会が少なくなったりの中子供がスマホやゲーム機に夢中になり高額課金をされるトラブルが発生しています。「偽(ニセ)サイト」では、洋服、ブランドもの、家具、家電の模倣サイトが巧妙に作られ、注文と違うものが届いたとか、何も届かないというトラブルで、今まであまりインターネット通販になじみのなかった高齢者の被害も出ています。「サービス契約」は、巣籠の影響で映画等の配信サービスの利用が増えている中無料お試し期間の終了期限が分かりにくい、手続きが複雑で解約できないなどのトラブルが起きています。また、出会いの機会が減りコロナ禍で暮らしの先行きが不安な中、マッチングサイト等で恋愛感情を利用して怪しい投資話に誘導する手口も増えてきています。

新型コロナウイルスワクチン関連の消費者相談件数と相談事例

 国民生活センターでは、本年2月15日から新型コロナウイルスワクチン接種に便乗した消費者トラブルや悪質商法の相談を受けるための「新型コロナワクチン詐欺消費者ホットライン(0120-797-188)」を特設し、現在も受付を行っています。5月12日までに1,853件の相談が寄せられており、そのうち33件はワクチン詐欺が疑われるものでした。

 詐欺が疑われる事例としては、「ワクチンを優先的に接種できる」と所管省庁を騙る電話があった、「余ったワクチンを(有料で)案内している」と電話があった、「ワクチン接種の予約代行をする」と市職員を名乗る人が来たなど、コロナワクチン予約開始直後につけこんだものです。ワクチンについては政府、マスコミの報道がされているため現在のところ深刻な被害は出ていませんが、今後も引き続き消費者トラブルへの迅速な対応を続けます。

国民生活センター 公式LINEアカウント

 昨年5月にチャットボット形式のLINEを立ち上げており、2019年度はFAQには58万件、2020年度は80万件のアクセスがあり、友達登録は1万1千人となっています。FAQを増やして利用しやすくしていきますので、友達登録をお願いします。

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