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G20 消費者政策国際会合 6月に行われたG20大阪サミットのサイドイベントとして、徳島県と消費者庁の共催による「G20消費者政策国際会合」が、9月5日、6日の両日、徳島市のJR ホテルクレメント徳島において開催されました。 日本を含め38の国・地域・国際機関から消費者行政の実務担当者約60名が参加し、「デジタル化の急速な進展に伴う新たな消費者問題への対処」や「SDGsの推進」など、各国に共通する政策課題について議論が行われました。 消費者団体からもオブザーバーとして9名が参加。6日のセッションは、東京の合同庁舎(消費者庁)にもサテライト会場が設けられ、消費者庁・消費者委員会事務局や消費者団体メンバーなど30名ほどの参加がありました。 全国消団連からは事務局長の浦郷がオブザーバー参加しました。
宮腰内閣府特命担当大臣、飯泉徳島県知事による開会の挨拶の後、ドイツの消費者保護局長ヘルガ・シュプリンネゲル氏からは、今回は2017年ドイツ、2018年アルゼンチンに続く3回目の会合。2回目の開催はリピートだが3回目の開催ができて伝統となる。G20においては必要な会合であり消費者保護の新しい道筋を作るものだとの挨拶がありました。 またCI(国際消費者機構)事務局長のヘレナ・ローラン氏も挨拶され、持続可能性の課題の重要性を述べられました。
一日目は5つのセッション&ランチタイムセッションのプログラムで、それぞれのテーマで各国の取り組み事例が報告され、それらについて活発な意見交換が行われました。二日目は伊藤消費者庁長官の進行による脆弱な消費者の保護をテーマとしたセッションと、若年者に対する消費者教育がテーマの徳島セッションが行われ、英語のスピーチで行われた徳島県の高校生による取組報告は大変すばらしい発表でした。 (各セッションのテーマとプレゼンテーションを行った国・機関等)
インターネットの急速な技術革新によりAI・IoTやオンラインプラットフォーム、シェアリングエコノミーなど様々なビジネスモデルが進展、その中でセキュリティやプライバシー、取引トラブルなど消費者保護に関する課題は各国共通するものがあります。セッションでは各国の取り組み事例が共有され、課題解決にはデジタルに関する専門的な理解(知識)が必要ということを確認しました。 また、デジタル社会では国境を越えた商取引が行われているが、消費者の信頼を得るには全世界共通の原則的な法的枠組みが必要である、しかし、個々の国の法律をどう適用するかが問題。グローバルな紛争解決(ODR)を図るには、まず各国でODRシステムの構築をとのことでした。 SDGsに関しては、消費者の理解は進んでいるが行動には結びついていない、消費者の消費モデルを変えていくには製品の表示や内容の情報開示も大事、そして多くの国が消費者教育の重要さを話し、消費者行政部局の役割を確認しました。
脆弱な消費者の保護では、誰もが脆弱な消費者になり得る、オンライン取引の下では多くの消費者は皆脆弱、また長すぎる契約書など消費者を混乱させて脆弱にする「作られた脆弱性」もあるなどの話がありました。誰をどのように保護するのか、コストは誰が払うのか、その意思決定の責任を誰が持つのかなど課題も共有されました。 今回消費者庁は初めて国際会合を主催しましたが、来年度、徳島県の新未来創造戦略本部では国際業務の拠点として研究や交流など行うこととしています。今回の議論を踏まえ具体的な政策として取り組みを進めてほしいと期待します。 |