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「消費者基本計画に関する意見交換会」を開催しました

【日 時】 10月12日(木) 18時00分〜20時00分

【場 所】 主婦会館プラザエフ 5階会議室

【講 師】 消費者庁 消費者政策課 課長 河内 達哉さん
消費者政策課 企画調整官 澤野 宏さん
消費者政策課 竹村 朋さん

【参加者】 27名

開催概要(事務局による要約)

 消費者基本計画工程表(平成27年3月24日消費者政策会議決定)は、5年間で取り組むべき施策の内容を示し、毎年改定が行われます。

 今回、消費者庁担当課より、次回の工程表改定を進めるにあたり、消費者を取り巻く状況等を踏まえ、「新たに項目を設けるべき項目」「既存項目において、新たな施策を盛り込むべき又は施策を充実させるべき事項」などについて、意見を伺いたいとの依頼があり開催をしました。

◆改定ポイントの説明

1.消費者の安全の確保

子どもの事故防止 各省庁が様々に取り組んでいたが、子どもの事故防止に関する関係府省庁連絡会議(9府省庁)を設置。
食品の安全・安心の確保 情報を整理し、ウエブサイト等を通じて、消費者へのわかりやすい情報発信。

2.表示の充実と信頼の確保

美容医療に関する消費者問題への対応 医療法の改正法案が成立。監視体制の強化と必要な対策を実施。
食品表示の充実による多様な選択機会の確保 インターネット販売における食品表示は事業者の周知と消費者への普及啓発。原料原産地表示は改正に向けた作業。

3.適正な取引の実現

高齢者の消費者被害の防止策の強化 身元保証等高齢者サポート事業については、関係省庁と連携し実態把握を行い、必要な措置を実施。
電力・ガス小売全面自由化への対応 電力・ガスの自由化は、契約前にじっくり考えてもらえるようなチラシで注意喚起。

4.消費者が主役になって選択・行動できる社会の形成

食品ロス削減の推進 食品ロス年間約600万トンの削減を推進。
消費者と事業者の連携・協働 消費者志向経営の広範な普及に向けた活動展開。自主宣言とフォローアップ活動の推進。

5.消費者の被害救済、利益保護の枠組みの整備

消費者団体訴訟制度等 特定適格消費者団体による悪質事業者の仮差し押さえを国民生活センターがバックアップする仕組みの整備。公益通報者保護制度については、法改正が必要な時に検討。
その他 成年年齢引き下げに対する対応 民法改正に向けての対策として消費者教育の推進。
持続可能な開発目標(SDGs)の推進 倫理的消費等に関する調査研究及び普及啓発の実施。

参加者からの主な意見・要望
(様々な視点でたくさんの意見が出されました。パブコメでも活用させていただきます。)

  • 多くの外国人が来日していますが、商品表示や食品のアレルギー表示がわかりにくい等の課題があります。オリンピックは2年後に迫っていますが、外国人も日本にいる消費者として保護する視点が重要です。消費者基本計画として意識を持ってください。
  • 健康食品については、プエラリア・ミリフィカを含む製品による健康被害などが指摘されていますが、「食品の安全性の確保」の項には課題化されていません。安全の観点からも情報把握をして早めに対策するような課題設定をしてほしいです。
  • 子どもの事故防止について、関係府省庁連絡会議が立ち上がり、どのような実績があったのですか。また子ども安全メールの登録で事故がどのくらい減ったのですか。チャイルドデスレビューを制度化しないと、どんな事故がどのくらい減ったかを検証するのは難しいです。この制度を立ち上げる予定はありますか。
  • リコールは消費者にとっては命にかかわる情報もあります。リコール情報は製品も食品も消費者庁で一元化するべきであり、食品表示法もその対象とすべきです。
  • 食品中の放射性物質のリスコミが行われていますが、風評被害の消費者意識の実態調査によると、そもそも検査が行われていることを知らない人が4割います。検査結果も安定してきてそろそろ検査対象の見直しが課題になろうとする中、風評被害の払拭に向けては消費者庁がどのようなリスクコミュニケーションをするのかが問われています。KPIは「検査機器の貸与数」より、一歩先に進んだ内容を書くべきです。
  • 食品の安全については、科学的な知識より、感覚的に不安に思っている消費者も多いです。テーマの選定など工夫し、消費者が科学的に考えられるようリスコミをすすめてほしいです。
  • 特定商取引法の見直しでは、再度の見直しが必要と考えます。①成年年齢引き下げの関係で若年者のマルチ商法被害が考えられます。現在は困惑類型に関しては取消権がありません。強化が必要ですので、課題化してください。②通信販売の定期購入がセットになっているトラブルが多発しています。表示広告規制だけでなく、事業者に解約受付の体制があるかなど、規制の対象を幅広く考えないといけないです。
  • PL法に関する判例の収集について、消費者庁HPには本人訴訟で主張を尽くさずに負けたケースも掲載されており、誤解を招きかねない。判決が通り相場なのか、被害救済につながるのかを吟味したうえで掲示してほしい。
  • 地方消費者行政の強化について、区市町村との懇談では「人手が足らない」との意見が圧倒的にあります。たとえば、「人口○人あたり○人配置」など、職員・相談員の配置基準は盛り込めないのですか。
  • 改正民法の施行で業種ごとの標準約款の見直しがかかっていくが、動きを消費者庁として把握し、消費者保護の観点から目配りしてほしいです。
  • 「188」はチラシやウエブで周知しているとありますが、現状の認知度3%では周知とは言えません。具体的なアイデアを出していけたらよいと思います。
  • 徳島県の新未来創造オフィスをもっと活用し、試行結果を知らせてほしいです。

◆(消費者庁より)今後のスケジュールについて

 本年度は、年度末までの状況をできるだけ取り込みつつ、より早期に素案を公表できるように努力します。

 消費者委員会からの意見の提示を平成29年11月〜12月、素案のパブリックコメントを平成30年2月ごろ実施、消費者委員会への諮問・答申を平成30年4月ごろ、消費者政策会議での決定を平成30年4月〜5月頃を想定しています。

 また「第4期(平成32年度から)消費者基本計画のあり方に関する検討会」として、有識者を含めた会議を今月から開催する予定です。来年6月に中間とりまとめを行う予定です。

以上