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学習会「家畜等に使用される抗菌剤の現状を知る」

【日  時】 2016年10月24日(月)18:30〜20:00

【会  場】 主婦会館プラザエフ5階会議室

【参加者】 22名

【内  容】 「家畜等に使用される抗菌剤の現状を知る」
沖田 賢治さん 農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課
林 政彦さん   同

○開催趣旨

 抗菌剤(抗生物質等)が効かなくなる薬剤耐性感染症が拡大しています。この問題は情報も少なく、いろいろな分野にも関わっており、消費者も現状を知ることが大切です。今回の学習会では、食品としての畜産物(乳、肉、卵、魚など)に使用される抗菌剤の現状を学ぶ学習会を開催しました。

○概要<事務局による要約>

●薬剤耐性感染症が世界的に拡大してきていることから、2015年5月のWHO総会で薬剤耐性に対する国際行動計画が採択された。日本でもG7伊勢志摩サミットに向け、国家行動計画(アクションプラン)を策定し、分野横断的な取組(人と動物等の保健衛生上の一体的な推進)を推進するとともに国際協力を推進することとした。

●現状は、動物用医薬品及び飼料添加物として抗菌剤を使用しているが、家畜への薬剤耐性菌対策とともに、畜産物を介して人へうつる可能性も指摘されているため、○動物用医薬品の適正使用・慎重使用を徹底し、対象動物・使用量・使用時期等に関する基準を設け、限定的に使用する。○全国的なモニタリング調査を継続し、人の医療分野のモニタリング調査との相互利用等の連携を実施する等、食品安全委員会の人への影響に関する評価を踏まえ、農林水産省で使用基準等のリスク管理措置を行っている。

●アクションプランでは、○日本の畜産分野の薬剤耐性率は、国際的にも低い水準なので、抗菌剤の慎重使用を推進するとともに、これまでの取組を強化する。○薬剤耐性の動向調査・監視を強化し、人の医療分野と畜産分野の連携・推進を図る。愛玩動物の調査も開始する。○養殖水産動物用医薬品の使用に専門家が関与する仕組みを導入する。○アジア地域における国際協力を強化する。等を畜産分野の取組目標とし、関係者と意見交換を行い「実行計画と工程表」を策定し、連携して取組んでいく。

●国民の薬剤耐性に関する知識や理解を深めるため、「薬剤耐性対策推進国民啓発会議」を開催するとともに、毎年11月を「薬剤耐性対策推進月間」に設定し、普及啓発を図る。

○参加者からは、「先進国以外の国でもモニタリングはされているのか。輸入食品に対して適正な検査がされているのか心配。」「使用量を減らすことが大切。獣医師への情報提供・教育をしてほしい。」「国民運動として何を理解し、どう活かせばいいのか。」「飼料に添加される抗菌剤の現状はどうなっているのか。」など様々な意見や質問が出され、充実した学習会となりました。