[このページについてのご意見、お問い合わせなどはメールにて webmaster@shodanren.gr.jp までお送りください。]

全国消団連・トップページへ戻る


学習と意見交換会
「改正消費者契約法のポイントと今後の課題」
を開催しました。

【日  時】 7月14日(木) 18:00〜19:30

【会  場】 主婦会館プラザエフ5階第1会議室

【参加者】 16名

【講  師】 加納 克利 さん(消費者庁消費者制度課長)

概要(消団連事務局による要約)

改正消費者契約法のポイント

(施行期日 平成29年6月3日)

1.契約の取り消し
課題 改正内容
高齢者の判断能力の低下につけ込んで、大量に商品を購入させる被害事案 過量な内容の契約の取り消し(新たな取消事由)
契約の目的物に関しない事項についての不実告知による被害事案
(例:床下にシロアリがおり、家が倒壊)
重要事項の範囲の拡大
取消権の行使期間を経過した被害事案 行使期間の伸長(短期を6か月→1年に伸長)
2.契約条項の無効
消費者の解除権を一切、認めない条項の存在(→欠陥製品であっても残金を支払い続ける)
(例:「いかなる場合でも解除できません」)
事業者の債務不履行等の場合でも、消費者の解除権を放棄させる条項(無効とする条項の追加)
法10条の①は明文の規定だけではなく、一般的な法理等も含むとする最高裁の判決 法10条に例示を追加(※)

(※)消費者の不作為をもって意思表示をしたものとみなす条項

【10条】①民法、商法等の任意規定の適用による場合と比べ消費者の権利を制限する条項であって、
②信義則に反して消費者の利益を害する者は無効

 消費生活相談員の方が多く参加されており、主に、新たな取消事由の「過量」の概念について意見交換を行いました。最近の相談では、同一の商品を大量に買わされてしまったというよりは、布団、汗取りパッド、ハンモック等関連性はあるが違うものを買わされてしまい、「過量」に当てはまるか判断が難しい相談も見られるという意見がありました。加納さんからは、消費者庁は逐条解説に事例を掲載するので活用して欲しい。また、新しい条文を活かすのは相談員さんたちであるので頑張って欲しいと期待を述べられました。今後の改正に向けては、消費者被害の事例を集積し、論議の準備しておくことが重要であることを確認しました。