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学習会「健康的な食生活〜減塩〜
事業者の取り組みから消費者と共にできることを考える」を開催しました

【日  時】 7月12日(火)14:00〜16:00

【会  場】 主婦会館プラザエフ5階会議室

【報告者】 全国味噌工業協同組合連合会 磯部賢治さん
キッコーマン株式会社 井上美香さん
日清食品ホールディングス株式会社 松尾伸二さん

【出席者】 31名

○開催の趣旨

 全国消団連では昨年度から「健康的な食生活を考える」として減塩をテーマに取り組んできました。加工食品からの塩分摂取が6割とも言われる中、事業者の取り組みは益々重要です。今回は3事業者の取り組み報告を伺い、消費者と共にできることを考える機会としました。

○概要<事務局による要約>

●味噌の製造にとって塩は適正な発酵熟成を促し、塩味の付加、保存を高めるうえでも不可欠。味噌全体の塩分は漸減しており、12%と下限領域に近づいている。減塩味噌の利用も増えているが、野菜を増やしたり、だしを効かせて通常の味噌の量を減らすなど、普段の食事の中での減塩も大切。

●しょうゆは業界としての取り組みには至っていないが、キッコーマンはトップメーカーの責任として50年前から美味しさと健康の両立を目指して減塩に取り組んできた。日本人の食塩摂取に占めるしょうゆの割合は大きいので「しょうゆ」の減塩の必要性や効果は高い。妊産婦向けの商品提供や少しずつの節塩メニューの提案等行っている。

●食品加工業界各団体は、減塩の必要性は意識しつつも団体としての取り組みは出来ていない。即席めん業界でも5年間で15%の減塩計画を進めたいが、業界としての足並みは揃っていない。イギリスなどでは政府が関与した減塩運動により低減の効果が表れており、医療費の削減にもつながっている。業界全体の取り組みをすすめていくためにも、消費者団体と共に国への関与を求めていきたい。

●コープネット事業連合の報告資料によると、減塩に関する要望の声は前年比で横ばい。消費者の意識としては「減塩」=「美味しくない」という意識がまだ強く、美味しさを犠牲にした減塩は『病人食』というような声もある。他方、減塩商品の利用実績は伸長してきている。商品開発に関しては美味しさを維持するために、かつお・昆布・ホタテなどだし汁、野菜の甘み、スパイス、などで工夫して美味しさを向上させている。

 意見交換では、医療福祉生協連の24時間蓄尿塩分調査の紹介や地域生協から減塩の取り組みや学習会予定等報告されました。

 参加者からは、「減塩商品というと高いというイメージがある」「食品メーカーの減塩商品に頼ることだけでなく、使用量を減らすという消費者自身の行動の工夫も大切だと感じました。」「加工食品メーカーと消費者団体と国が一緒になって減塩の取り組みを広げていくことが大切。」「少しずつ段階的に減塩するという方法は実現できたら素晴らしい。ただ国を動かすのは相当難しそう。」など意見・感想をいただきました。