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意見交換会「輸入酒類のトレーサビリティの現状と課題」を開催しました

【日時】 6月8日(水)14:00〜15:00

【会場】 主婦会館プラザエフ5階会議室

【内容】 「輸入酒類のトレーサビリティの現状と課題」報告
EBC欧州ビジネス協会 酒類委員会事務局 牧 陽子さん
質疑応答・意見交換

【出席者】14名

○概要<事務局による要約>

●輸入酒類において、製造ロット番号が削除された商品が、日本のマーケットに流通している。EUでは、製造ロット番号がすべての包装加工食品及び飲料(含む酒類)に義務けられており、アメリカは、義務付けではないが、削除・改ざん・隠ぺいは罰則対象となっている。日本やアジア諸国などでは、製造ロット番号の付記は義務付けではなく、削除・改ざん・隠ぺいも罰則対象となっていないのが現状である。

●こうした状態が放置されていると、ボトルの口を破って番号を削り再度テープで張り直した商品などで、品質安全・衛生の問題が生じたり、トレーサビリティが不完全で市場からの回収が速やかに実施できないなどの事態が生じうる。製造者責任・リコールの問題や、販売者・サービス業者においても債務不履行の問題、さらには偽造品である可能性など様々な問題が生じる可能性がある。

●国税庁は2014年9月に酒類業界8団体に対して行政通達を発出した。しかし、未だに日本市場には、削除品が流通している。理由として1.通達は法律ではないので拘束力がない。2.酒類業界8団体以外の輸入業者には注意喚起が行き届いていない。3.この問題が広く知られておらず、消費者や小売店が製造ロット番号の有無を認識せずに、ボトルを売買している。などがあげられる。まずはこの事実を知ってもらい、情報共有・啓蒙活動に協力してほしい。

○意見交換

 「このような事実があることを知らなかった。先進諸国の中で日本が対応していないということに驚いた。」「高いブランドのお酒が安く手に入ることは消費者メリットでもあり、難しい問題。」「輸出国によって販売価格に差があることが、つけこむ隙を与えている。販売価格を同等にすべき。」「自分の所属団体でも問題提起していく。」「こうした行為の防止のために業界でできることはまだあるのではないか。」など活発な意見交換が行われました。