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学習会「新たな育種技術(NPBT)の研究開発・実用化
の動向について」を開催しました

【日時】 2月25日(木)18:00〜19:30

【会場】 主婦会館プラザエフ5階会議室

【説明】 農林水産省 農林技術会議事務局 研究企画課
技術安全室 鈴木 富男 室長

【出席者】 13名

 農産物の育種に関して新たな技術の研究開発が進んでいます。様々なステークホルダーとの丁寧なコミュニケーションが求められることから、今回、意見交換の場を持ちました。

○概要<事務局による要約>

・ 穀物生産量の増加は単収によって支えられてきたが、伸び率は近年鈍化し、農業従事者の高齢化も進行、地球温暖化による影響も現れてきている。

・ 農作物の育種は、人の手で長年にわたり改良されてきたが、近年、交雑育種法や突然変異育種法等の利用で生産性の向上や食料の安定供給に大きく貢献してきた。

・ 農作物のゲノム情報を解読し、そのDNAを目印(マーカー)として新品種を効率的に選抜するDNAマーカー選抜育種法が開発され、様々な農作物の育種に応用されている。この応用で、短期間に画期的な新品種が開発される可能性がある。

 例えばソラニンの合成を抑制するバレイショ、アレルゲンを含まないコメ、リコピンを多く含むトマト、花粉を作らないスギなどの研究が進んでいる。

・ ゲノム編集技術は遺伝子組み換え生物の定義には当てはまらず、伝統的な育種技術によって得られた農産物と変わらないことから、ヨーロッパやアメリカなど各国で規制や検討の状況も様々。

・ 遺伝子組み換え技術を利用した農作物や食品に対する不安感が残る日本では、科学的な見解をベースに、幅広いステークホルダーとのコミュニケーションを進め、信頼感を醸成していくことが肝要。

・ 参加者からは、「種の壁」を越えて新たな生物を創り出す遺伝子組み換え技術に比べ安心感はあるものの、生態系に与える影響や企業による「種の支配」への不安等は依然として残るとの意見が出されました。

(出典:農林水産省学習会資料)