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学習会「レギュラトリーサイエンスに属する
研究の推進について」を開催しました

【日  時】 5月19日(火)18:00〜19:30

【会  場】 主婦会館プラザエフ5階会議室

【講  師】 吉岡 修さん(農林水産省 消費・安全政策課課長)

【参加者】 12名

【内容】

 農林水産省では科学的な根拠に基づいて行政施策・措置を決定するため、食品安全、動物衛生及び植物防疫等の分野で、レギュラトリーサイエンスを活用しています。今後10年程度を見通した研究開発の重点目標と推進施策を定める「農林水産研究基本計画」が決定されたことから、「レギュラトリーサイエンス研究基本計画」を見直すことになりました。消費者にとって聞きなれない「レギュラトリーサイエンス」とその研究推進について、農林水産省の吉岡課長を講師に招き学習会を開催しました。消費者が適切な商品選択を行うためには、内容を理解する消費者力が必要になります。私たち消費者団体の監視と啓発の役割も重要になります。そうした役割を果たしていけるよう全国消団連でも取り組みを検討していきます。

「レギュラトリーサイエンス」とは

 行政施策や措置の検討・判断に利用できる科学的知見を得るための研究科学的知見に基づいて施策を決定する行政の両方が含まれ、日本では医薬品の分野で活用されてきました。医薬品は病気を治すのに必要ですが、少なすぎては効かないし、取りすぎたら悪影響を及ぼします。データに基づいて適切な量が投与されることが大切です。同様に、食品の毒性と摂取量のバランスや、動物ワクチンの効果と人間への影響など、食品安全、動物衛生及び植物防疫の分野でも科学的データに基づき活用されています。

研究を推進していくために

 世の中や行政の役に立つ研究にするためには、研究者が正当に評価されると共に、行政の中にも科学について深い知見を有する人材育成が必要です。世界ではどんな研究が行われていて、日本ではどこが遅れているのか、消費者、行政、生産の現場での重要度がずれていないか、様々なステークホルダーとの意見交換や学習会も大切です。

質疑応答

 「開発」のための科学に比べて、「検証」のための科学が立ち遅れていることを指摘する意見や、消費者へのリスク受容に関する研究や情報の伝え方にも活用を広げてほしいとする意見などが出されました。

【参加者アンケートより】

  • わかりやすいお話で、なじみのない言葉「レギュラトリーサイエンス」について漠然と理解できました。
  • 人柄も含め解りやすく、大変参考になりました。継続して学習したいです。
  • リスクコミュニケーションの難しさ、食の安全と食品の安全の違いが印象に残りました。