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ホントのことを知りたい学習シリーズ

「パーソナルデータ」の利活用とプライバシーの保護は両立するか?
開催報告

日  時: 10月25日 18:30〜20:30
会  場: プラザエフ5階会議室
講  師: 鈴木 正朝 先生(新潟大学法科大学院 教授)
参加者: 15名

 今年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」でビッグデータの活用の推進がうたわれました。またこの秋、内閣のIT総合戦略本部内に「パーソナルデータに関する検討会」が設置され、12月の取りまとめに向けてさまざまな検討が進められています。そんな中、JR東日本によるSuica情報履歴を使った情報提供サービスが利用者の同意をとらないまま開始され、批判を受け中止するなど混乱が起こっています。

 今回の「ホントのことが知りたい!学習シリーズ」では、検討会のメンバーでもある新潟大学の鈴木先生を講師にお迎えし、パーソナルデータの問題を消費者の権利の視点から取り上げました。「パーソナルデータ」の利活用とプライバシーの保護は両立するのか?など、自分自身の生活に直結する問題として学習しました。

 まず東日本大震災をきっかけに医療分野で表面化した、個人情報保護に関する規定が自治体ごとの条例に細分化されていることによる問題について取り上げ、国内の統一ルールの必要性について説明がありました。

 次に、利用者の同意をとらないまま開始され批判を受け中止となったSuica情報履歴を使った情報提供サービスの問題について取り上げ、どこが問題だったのか、Suica情報履歴のような個人が特定できるデータが複数含まれる個人情報はどこに注意をすれば活用が可能になるのか?について解説していただきました。

 最後に先生から、個人情報保護法の改正を見据え、海外で施行されている法律のメリット・課題・日本に及ぼす影響等を踏まえたうえで、消費者団体はできるなら対案を、少なくとも今後どうしていくべきか、という視点を入れて意見表明していくことが必要になってくる、というアドバイスをいただきました。

 学習をすすめていく中でわかってきた、現在の海外への個人情報流出の量・質・速さには皆さん衝撃を受けていました。国際ルールを背景に国内ルール作りを推していく必要があると感じました。

〜〜〜 参加者アンケートより 〜〜〜

*企業側の視点でお話を伺いました。初めて聞く内容でしたので充分に理解出来ずにいましたが実務的な作業につながる影響度を考えていこうと思います。

*全く知らない内容がほとんどで、不勉強恥ずかしい限りです。今後関心を持っていきたいと強く感じました。

*初めての参加でワードなどもなじみがなく、まだまだこれから勉強しなければならないと思いました。でも消費者にとっても国にとっても非常に重要な問題で、改正は絶対必要であることは理解出来ました。ありがとうございました。