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ホントのことを知りたい!学習シリーズ
牛海綿状脳症(BSE)対策の再評価と
今後の管理について 報告

 2012年11月29日(木)13:30〜16:00 主婦会館プラザエフ5階会議室において開催

 河野康子全国消団体連事務局長により開会挨拶・趣旨説明の後、内閣府食品安全委員会事務局 勧告広報課長 北池 隆さんより「牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しに係る健康影響評価の概要について」、厚生労働省医薬食品局 食品安全部輸入食品安全対策室長 道野英司さんより「牛海綿状脳症(BSE)対策の再評価について」ご講演いただき会場からの質疑応答を行い閉会しました。

 参加者は21名でした。

【牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しに係る健康影響評価の概要について】
(内閣府食品安全委員会事務局 北池課長)

 厚生労働省からの諮問内容とその評価にあたって必要な項目を整理した上で、それぞれの事項に対する食品安全委員会の評価を説明する。

 先ず、BSEの発生状況からみて、発生抑制に各国による飼料規制が効果的であったこと、感染実験や検査の確認、非定型BSEについての感染実験などから、各諮問項目に関して、「リスクの差は、あったとしても非常に小さく、人への健康影響は無視できる」と評価したとの事です。

【牛海綿状脳症(BSE)対策の再評価について】(厚生労働省 道野室長)

 食品安全委員会の評価をふまえて、国内および輸入における管理措置を見直すこととしている。食品安全規制は、国際条約(SPS協定第2条、第3条)においても、国内法(食品安全基本法第5条)においても、最新の科学的知見に基づくこと等が求められており、現行のリスク評価に応じた措置に見直していくということだそうです。

【主な質問は】

○米国からの輸入再開後すぐに混載事例発生のため輸入停止となったが(2006年)、米国の違反率は多くはないのか?

○月齢要件を課さないのが国際基準とはどういうことか?

○月齢がポイントだが、普段食べている肉がどれくらいの月齢か意識したことがない。30ヵ月齢以上でどれくらいの割合になるのか。非定型BSEは高齢牛(6.3歳〜18歳)とのことだが、そのような牛を食べることはあるのだろうか。

○SRM除去の基準で、回腸と扁桃が全月齢とされて、他の部分よりも厳しいのはなぜか?

○非定型BSEについて「人への感染の可能性は否定できず」としながら、一方で日本の23ヵ月齢の例については「人への感染性は無視できる」としている。矛盾していないか?

○「10万頭に1頭の感染牛の検出が可能な体制」とあるが、逆に言うと10万頭に1頭未満は見過ごされて良いという判断なのか?

○かつて月齢を計る基準づくりが行われていたと思うが、どうなったのか?

○「リスクの差は、あったとしても非常に小さく」と「人への健康影響は無視できる」の関係をどのように理解すればよいのか?

○前回評価時にSRM除去やサーベイランス、飼料規制に関わる附帯事項が付けられていたが、今回の評価で前回の懸念がどうクリアされたのか分からない。そこがつながるように説明しないと不安・不信を呼ぶ。

○21ヶ月齢で発生した陽性牛についてはどう評価しているのか?

○米国・カナダは飼料規制を始めてから年数が浅い気がするが?

などでした。