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厚生労働省による説明と意見交換会の概要報告

文責:全国消団連事務局

日時:2012年1月12日(木)13:30〜15:30

会場:プラザエフ 8階パンジー

【厚生労働省出席者】食品安全部より5名

【消費者団体】10団体15名

【内容】

1.輸入食品の安全性確保について

○輸入食品の現状

○輸出国対策における衛生対策として日本の食品衛生規制の周知についての具体的な取り組み内容

○輸入時対策として監視体制、検査体制、実際の違反内容、監視結果について。

○24年度輸入食品監視指導計画の変更点について

  • モニタリング検査計画数169食品群、約89,900件(前年比3,800件増)
  • 放射性物質基準値設定に伴う、輸入時検査体制の見直し
  • 安全性審査を経ていなかった遺伝子組み換え微生物を利用した添加物事案をふまえ、輸入者等食品事業者に対する自主的な安全管理の推進の徹底。

2.牛海面状脳症(BSE)対策の再評価について

○現在の国内対策の概要

○対策の経緯、感染頭数等

○輸入牛のBSE対策の経緯

○各国の検査体制、OIEステータスの分類、SRMの範囲、飼料規制

○今回の食安委への諮問内容(予定)

  1. 国内措置
    (1) 検査対象月齢 現行の規制閾値である「20ヶ月齢」から「30ヶ月齢」とした場合のリスクを比較。
    (2) SRMの範囲 頭部、せき髄及びせき柱について、現行の「全月齢」から「30ヶ月齢超」に変更した場合のリスクを比較。
  2. 国境措置
    (1) 月齢制限 現行の規制閾値である「20ヶ月齢」から「30ヶ月齢」とした場合のリスクを比較。
    (2) SRMの範囲 頭部、せき髄及びせき柱について、現行の「全月齢」から「30ヶ月齢超」に変更した場合のリスクを比較。
    現在までに調整等が進んでいる、米・加・仏・蘭を対象とする。
    仏・蘭については、現行の「輸入禁止」から「30ヶ月齢」とした場合のリスクを比較
  3. 上記1及び2を終えた後、国際的な基準を踏まえてさらに月齢の規制閾値を引き上げた場合のリスクを評価。

3.食品中の放射性物質の新たな基準値について

 新基準の設定について 暫定規制値の考えかた、食品区分の範囲、規制対象とする放射性核種の考えかた、「一般食品」、「乳児用食品」「牛乳」の範囲および「乳児用食品」について、経過措置の設定について、製造加工食品の基準値適用の考えかた、基準値の食品を一定の割合で摂取した場合の被ばく線量、食品からの放射性物質の摂取量推計、食品からの放射性物質の摂取量推計、食品中の放射性物質に関する規制値の見直しにかかるスケジュール見込等

<出された主な質問>(→は厚生労働省の回答要旨)

○食品区分で飲料水に含まれるのは何か。

→飲料水に代替性の強いお茶だけ(茶葉を原料として抽出したもの)

○新基準は外部被ばくも考慮されているのか。

→被ばくは少ないにこしたことはないので、規制のテーマは出来るだけ被ばくを下げることである。年間1mSvという数字を実被ばくとして考えるか、基準値の設計として考えるかは難しいところだが、コーデックス委員会(国際食品規格委員会)では基準値設計の際の数字として考えられている。実際にこの数字よりずっと低くおさまっている。福島の方たちへの懸念ということでは食品のことはもちろんあるが、農業への懸念もあり、そのバランスをどうとるか、また、福島とそれ以外の地域についても、バランスも大切にしながら地域の除染対策等も含めて全体でみていかなければならない。

○検査体制はどうなっているか。

→事故当初は限られたデータで対応してきたが、12月の自治体からの報告をみるとゲルマニウム半導体検出器と簡易型の検出器の導入割合が1:2になっていて、かなり充実してきているようだ。1ヶ月で1万件前後検査されている。機械の普及台数からみるとまだ余裕があるようだが、今は農産物の端境期だからかもしれない。基準値が低くなると検査に要する時間が長くなったり、簡易測定型の機器での検査は難しくなるのではないか。

○新基準は輸入品にも適応が可能なのか。

→輸入食品にも適応する。だからWTOにも通報もしている。輸出国で事前の検査をして輸出してきているので事前の検査を新基準にあわせてもらう。

○個人やグループで検査機器購入しているが性能は。

→日本アイソトープ協会のホームページに食品中の放射性セシウムスクリーニング法に対応可能な機種(NaI(Tl)シンチレーション検出器)が情報提供されており、それらの機器はメーカーが放射性セシウムスクリーニング法が対応可能であることを保証している。

○BSEの輸入に関して、アメリカの抽出検査0.1%であったり、飼料の交差汚染への心配などがあり丁寧に知らせ続けないと国民に受け入れられないのではないか。

→食品安全委員会に実際の現場の状況を考慮して評価をしてもらう。前回はまだやっていないことを含めた評価だったが、今回は遵守状況も含めて評価してもらう。

○GM由来の添加物について詳しく説明していただきたい。

→遺伝子組み換え技術を用いた添加物は、自然界でおこるようなものを作成したものや、組み合わせが同種にかぎられた純度の高いものの場合も、法律上の手続きとして届け出が必要。今回届け出ていなかったものがみつかったが、安全性には問題が無いとわかっており、その流通量が多く、社会的影響も大きいので回収する必要はないと判断した。一方、回収を指示したキシラナーゼは安全性について確認できなかった。回収する必要がないという措置は、食塩中のフェロシアン化物の事例があった。その時点では食品安全委員会はなかったが厚生労働省で審議した。安全性に問題が無いもので、法律上の手続きの問題だけという事例は、今後もこれにならう。

○OIEのステータス評価は信用できない。

→OIEのと殺前後検査に合格とあるが、と殺後の検査は日本のような検査はやっていない。一般的な検査なようだ。

○何故今のタイミングで再評価なのか。

→EUなども新たな知見がわかった時点で見直しをしているが、日本はいつまでも厳しいままで見直しをしてこなかった。最新の科学的知見に基づく再評価を行うことは必要。