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全国消団連ホントのことを知りたい!!学習シリーズ

意見交換会
「復興をともに!今私たちもできることを考えてみよう!!」
開催報告

全国消団連事務局

 11月2日に約30名の参加で標記意見交換会が開催されました。

 冒頭、全国消団連の阿南事務局長から「被災8カ月を経て、被災地で活動されている方の話しを聴き、現状を考えあう学習会である」との主旨説明をおこないました。

 報告者はセーブ・ザ・チルドレン 東日本大震災復興事業部プログラムマネージャー(子どもにやさしい地域づくり)津田 知子さん、さいたまコープ 参加とネットワーク推進室 地域ネットワーク部長 福岡 和敏さん、日本青年団協議会 事務局長 田中 潮さん、陸前高田市青年団協議会 会長 橋詰 琢見さん、東日本大震災復興対策本部 参事官 安東 義雄さんにお願いしました。

 まずセーブ・ザ・チルドレンの津田さんからの報告がありました。

 セーブ・ザ・チルドレンはこれから5年間の長期支援を三つの柱を掲げて取組んでいます。(1)子どもが安心安全に遊べる場所や居場所を被災地域に広げること、(2)学校内外の学習環境を整え、子どもの学習をサポートすること、(3)「自分たちのふるさとをどうしていきたいか」,子どもたちの意見を聴き、そして、子どもたちが参加する地域のまちづくり進めていくことです。

 避難所ではこどもの様子が一見して明るそうに見えたけれども、子どもから直接聴いて見ると「まっすぐに走りたい」「思いっきり遊びたい」などの声があがり、普段は見知らぬ人々との生活で押さえている子どもたちの気持ちが明らかになりました。そこで2時間のプログラムとして安全・安心の「子ども広場」を取り組みました。周りへの呼びかけで子どもたちのポスター作りや折り紙を避難所に貼るなどの自主活動を生み出しました。

 次に、さいたまコープ福岡さんからは支援する側が気働きをしない限り被災者のニーズに届かないことを実感したとの話しがありました。埼玉県加須市の旧・騎西高校で双葉町からの皆さんに味噌汁くばりをしながら、簡単なメモを書いてもらい、唇が切れるとか便秘とかの状況が出され、牛乳・乳製品を配ったり、野菜あったまる便を取組んだりしました。丸ごと移転してきた双葉町の行政にこんなこと出来ますよとの提案を行ない、それが次々と採用され、20何年勤めて「生協って役立つことあるじゃないか」という気持ちに成りました。被災者支援に真面目に取組む中で、参加とネットワーク推進室の仕事が具体的に見えて来た事は「いろんな団体と繋がっていくことで大きな仕事が出来ること、あくまでも自分のやりたいことが先でないということ」を学びました。

 次に、日本青年団協議会の田中さんから日本青年団協議会の活動について「地域の若者たちが学び成長する場」であるとの説明がありました。

 続けて、陸前高田市青年団協議会の橋詰さんから3.11の自らの被災体験に基づいたリアルな話しがありました。大津波が来ると予感し、家族を何も持たずに高台に逃がし、自分も消防団としての水門チェックの義務を果たしてから高台へと逃れた僅か5分後に津波が押し寄せてきたそうです。一瞬にして何十人もの知り合いを亡くしてしまい、今でもひょっこり現れるのではないかとの適わぬ思いのなか、悲しみを引きずっていましたが、周りからの励ましを受け「前を向いていかなければ、頑張らなければ」と思い直しました。陸前高田での青年団活動としてはこの地で54年間続けてきた「青年芸能祭」をそれこそゼロからの取組みとして実施しました。また、陸前高田の戸羽市長の書いた本に「被災地に桜を植えたい」との一文があり、これを青年団として取組めないかと考えたのです。今回助かった神社などは千年前の経験に基づいて作られたものだったそうです。私らがこれを知っていたらもっとたくさんの助かった人がいたかも知れないと悔しい思いがあります。そこで今回、青年団は「私たちは悔しいのです。津波の最大到達点に桜を植えさせてください。」と呼びかけて『桜ライン311』実行委員会を立ち上げました。今週の日曜日に第1回の植樹予定です。これは生き残ったものの責務と思っています。

 次に、東日本大震災復興対策本部の安東さんから主に「政府がこれからの復旧・復興に向けて何をしようとしているのか」との話しがありました。

 これらの報告を受けて意見交換が行われました。

  • 福島県からの避難者の先行きと東北らしい復旧・復興について話されました。そのなかで「被災地での子どもの意見が未来に実現されるものであって欲しい」
  • 「避難所での栄養バランスの良い食事のために、良く考えられた食料品の備蓄や配送についの各行政の役割分担が必要だ」
  • 「子どもたちの要望や地域住民の要望が今後どう国の政策なりにどう反映されるべきなのか、また、復旧・復興のための検討がどうすれば地域主体となるのか?国は財政・人的な側面支援が役割となるべきでは…」

など率直な交流と意見交換が行われました。

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