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『市町村の消費者行政調査交流会』を開催しました
 

2008年12月11日(木)主婦会館プラザエフ

 昨年に引き続き、2回目となる『市町村の消費者行政調査交流会』を開催しました。

 この間、国会で審議されている第2次補正予算案では、「地方消費者活性化基金」が提案されており、その活用に向けてどのような施策の検討が行われているか、各都道府県との懇談を実施することが直近の課題となっています。

 この交流会では、宮城・神奈川・石川・大阪・静岡の消費者団体と生協にて取り組まれた「市町村消費者行政調査」について、具体的な調査方法と結果、その活用事例などを報告いただき、参加者と共有して各地域で取り組みを広げていくことを目的としました。

 また会場より、山梨・多摩地域の消費者団体からもご報告いただきました。

1.活動報告

◆宮城県生活協同組合連合会 向井優子さん

 2005年度から調査を開始して、今年で4年目。報告書は、知事懇談、5政党懇談、県議・首長との懇談や、消費者ネット宮城での要請書の作成データとして活用する予定となっています。

◆神奈川県消費者団体連絡会 松井弘子さん

 1999年度より、継続してアンケート調査を実施してきました。98年度から、県から各市町村に順次移管された消費者行政が充実したものになっているのかを検証しています。これに基づいて、神奈川県へ要請書を提出しました。

◆石川県消費者団体連絡会 表 重雄さん

 活性化計画のこともあり、調査報告書をもとに今年度末に石川県と県下10市と生活支援センター所長との懇談会を開く予定。少しでも、消費者行政の衰退に歯止めをかけたいと思っています。

◆全大阪消費者団体連絡会 中村庄和さん

 基本は府内43市町村に対し、調査用紙を住民が持参→回収→結果を報告しています。その過程で市町村と懇談を行っています。2008年度の活動には100名以上が参加し、約20の行政と懇談しました。

◆消費者問題ネットワークしずおか 鈴木 愛さん(静岡大 学生) 金津 愛さん(静岡大 学生)

 静岡大学色川卓男准教授の研究室で活動中。現在は、全国政令都市の消費者行政調査を行っています。

 今後、考えていくべき点として、

  1. 消費生活センターとはどうあるべきなのか(モデルの提示)、
  2. 消費者団体のレベルアップをどう図っていくべきか、

 を挙げています。

 
2.消費者行政一元化をめぐる動きについて、全国消団連・阿南事務局長から報告しました。

 各都道府県は、来年度「地方消費者活性化基金」を使った地方消費者行政支援事業を行うにあたって、「消費者行政活性化計画」を策定し今年度中に国に提出しなければなりません。そこで「活性化計画」を策定するにあたり、県行政との懇談の場を持って市町村の消費者行政の実態を伝えることが大切、との報告がありました。

「地方消費者活性化基金」

国が地方消費者行政活性化交付金を活用し、今年度中に都道府県に基金を造成し、消費生活センターの設置、拡充、相談員のレベルアップ等の取組を支援する。又、都道府県ごとに、消費者行政活性化のための方針を策定した上で企画的に取り組むこと、とされています。第2次補正予算案に計上されました。

 
3.会場より調査活動の報告

◆山梨県消費者団体連絡会 田草川恒子さん

◆多摩のくらしを考えるコンシューマーズ・ネットワーク 五十嵐ちづ子さん

 
4.意見交換

●市町村の消費者行政窓口の充実について

  • 消費者行政窓口が設置困難な場合、広域的な取組の推進は市町村の連携とあるが、具体的なイメージがないと連携して予算を確保することができないのか。
     
  • 「消防」的というイメージはあるが、窓口の設置が難しい自治体もあり、こうした市町村では連携しかないと考えている。
     
  • 奈良の非常に広域な面積をもつ地域では、3町6村で連絡協議会が設置され、1年ごとに事務を分担している。ただし責任関係が不明確になっている。
     
  • 佐賀では、全市町に相談窓口が設置されているが、県が窓口を巡回して指導している。相談を受け付けても、あっせん・解決までやりきらないと意味がない。調査も解決率まで見て判断することが必要。
     
  • 石川県の最近の傾向としては、商工観光課に窓口が置かれるようになってきた。ある地域では、昨年までは環境保全課に置かれていたが、今年から福祉保健課に設置された。これまで窓口がなかったが、合併により窓口ができた事例もある。充実させようとする意図は感じられる。

●レベルアップのための方法はあるのか。

  • レベルアップは大きな課題。専門家団体も含めたネットワークづくりが必要。行政にきちんと発信するためには審議会メンバーも巻き込む必要がある。ただ、ネットワークづくりは進んでいない。消費者行政は、県を中心に全体のレベルアップが必要。
     
  • 神奈川県では、事業者指導は本課である県の消費生活課が行っている。県に対しては実績を評価しつつ(指導件数は全国4位)、さらなる強化を要望している。
     
  • 仙台市では、県の経産局に訴えて行政処分を実施している。

●消費者側の取組として、何か先進的な事例があれば紹介して欲しい。

  • 千葉では、2008年9月にネットワークを設立した。弁護士などの専門家も加わって、要望書づくりなど知恵も借りながら取組が進められそう。
     
  • とちぎ消費者ネットでは、宇都宮大の教員や学生も参加して地元自治体の首長へのインタビューを実施した。
     
  • 地域における様々な団体の今後のあり方はどう考えるのか。適格消費者団体としての役割と地域社会における役割発揮が必要ではないか。