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事故米説明会を開催しました

 昨年9月5日に発覚した三笠フーズによる事故米の食用転売事件は、1企業の不祥事にとどまらず、2年間で96回にも及ぶ立ち入り検査を行なっていた農林水産省の仕事のあり方にまで問題が広がりました。

 農林水産省では事故米対策本部を立ち上げ、専門家等による米流通システム検討会や有志職員による農林水産省改革チームも設置されました。

 この度、流通の調査、改善策等もまとまり、有識者会議から調査報告書も出されましたので、全国消団連としても12月17日に事故米の説明会を開催し、農林水産省総合食料局次長・平尾豊コさんから報告をいただきました。

  • ルート解明、廃棄処分、検査体制などの見直しや流通制度の検討など、農林水産省の取り組みに関する行程表から進捗状況の説明。
     
  • 事故米穀がどのような経路で流通したのか、ルートと量の説明。
     
  • 検査マニュアルの概要。
     
  • 新たな米流通システムについて、トレーサビリティ・システムの考え方を取り入れた情報の保管、原産地情報の伝達、流通規制などの説明。
     
  • 「事故米穀不正規流通問題に関する有識者会議」調査報告書の説明。
     
  • 農林水産省若手職員で組織された「改革チーム」の「農林水産省改革のための緊急提言」を中心に報告がありました。
     
    (この一連の調査報告等は農林水産省ホームページ→注目情報→非食用の事故米穀の不正規流通米について からご覧になれます。)

【出された主な意見と回答】

  • 販売先が不明となっている9トンはどういうことか。
     
    →メタミドホスによる事故米で、用途は和菓子ということだけわかっている。
     
  • 事故米は輸出国へ返品できるという国どうしでの取り決めはできないのか。
     
    →ミニマムアクセス米は商社に委託して買っているので、国どうしの売買ではない。今後は商社の責任で、事故米は買わない契約をしていただく。
     
  • 輸入されたもの全てに検査はできないのか。
     
    →他を待っていてはできないので、米は最初にやっていきたい。麦も多く輸入しているので、何かあれば入れないようにしたい。
     
  • 流通システムの対象品目に酒類がはいらないのは何故か。
     
    →検討会でも意見がだされたが、管轄が違うから。
     
  • 情報伝達の最終目的は表示の義務化ではないか。
     
    →表示をするためにはまず、生産者から消費者までのトレーサビリティをきちんとやっていただく。
    外食もメニューごと、お弁当屋さんなどは店頭表示などしていただく。
     
  • 表示の義務化も検討していただきたい。
     
    →まず米からやっていきたい。
     
  • 加工食品の表示は、表示スペースや原料原産地の変更などの問題があり難しいと聞いているが。
     
    →米については産地の変更はあまりないと聞いている。それよりコスト負担が問題。そもそも事故米は政府の管轄なのに何故事業者に負担がかかるのか、との声がある。
     
  • 事故米については販売と検査を一緒の部署がおこなっていることが問題だと思う。検査は消費・安全局に責任を持っておこなわせるべきではなかったか?

 BSE問題の際には、法制定を始め食品の安全に関する仕組みが大きく見直されるきっかけとなりました。今回の事故米についても、その問題点への対策がきちんと実施され、食品安全行政がさらに前進することを期待したいものです。そのためには消費者も表示等を注意して見る、おかしいと思うことがあったらすぐに届けるなど、常に自分や家族が食べる食品に関心を持ち続けることが大切なのではないでしょうか。

事故米説明会 農林水産省総合食料局担当者と全国消団連事務局長