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このところ食品の偽装が多く発覚していることからか、全国消団連で8月9日に行われた「加工食品の表示に関する学習会」に対するお問い合わせが多くなりました。そこで、時間が経ってしまいましたが報告いたします。

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加工食品の表示に関する学習会報告

 8月9日(木)プラザエフ5階会議室において、加工食品の表示、特に海外の事情にも詳しい藤田哲氏(藤田技術士事務所)に「うそのない食品と食品表示法の改善」と題してご講演いただき、日本の加工食品表示の問題点についての学習会を開催しました。

 まず、最近の食品に関する問題をたどりながら、日本と欧米の食品安全行政の違いについてうかがいました。日本の食品における真正担保の仕組みはバラバラで縦割り行政であるのに対して、米国の意識調査では国の食品安全行政は信頼度がどの機関も70%を越えているそうです。

 日本では産地偽装が特に多いそうですが、農林水産省特別調査でも精米、国産大豆、マグロ、和牛、鮮魚、うなぎ、しいたけ(生・干)について万単位の市販品のチェックとDNA鑑定を実施しています。

 偽和(講師は食品偽装をこう呼んでいる)され易い食品としては、果汁、ワイン、食肉と魚介類の加工品、コーヒー、有機農産物、オリーブ油、ハチミツ、メープルシロップなどが揚げられるそうです。日本では合法的な偽和があります。日本のJAS規格外品のハム(安価な物)は国際的には「ハム」と呼べる物ではないそうです。多量の糖類や異種タンパク質と水分で重量を増やしており、電子レンジにかけるとよくわかるそうです。日本酒も、純米大吟醸も、清酒入り合成酒も「清酒」という名で売られています。違法ではありませんが、消費者にはわかりにくいのです。日本国内の表示制度に改革が求められます。

食品真正の6条件

  1. 製造法を含めて法律による食品定義に違反しない
     
  2. 原料やその品種が正しい
     
  3. 食品の組成が正確である
     
  4. 産地を偽らない
     
  5. GMOと食品照射の有無
     
  6. 安価な企画外原料使用と、偽和・水増しがない
講演中の藤田先生

欧米先進国に学ぶ加工食品表示改革を

○ 重要原材料の%表示 

  • EUには重要原材料組成の量的表示(QUID)制度がある。肉製品などは水分を含めた全原料の%表示
  • QUIDOの独立専門機関による内容検査(17カ国、25の食品チェック研究所)

○ 加工食品の栄養詳細内容表示は必須

  • アメリカには食品栄養表示教育法(NLEA)がある。

○ 食品添加物表示方法の改善 添加物全体の表示を 

  • ブラジル、韓国、香港…全品表示 EU…ナンバー表示

○ 国際食品規格(最低基準)への準拠と、一食品一規格への単純化

  • JASの等級付けは企業都合の発想
  • もどき食品規格の廃止 調整○○ 加○○・国際食品規格以下の食品企画の廃止

 消費者が真正な商品を手に入れるためには、表示制度についてこのような事が具体的に考えられるそうです。