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全国消団連主催 食品表示学習会
「偽装表示はなぜ絶えないのか?」開催報告

 全国消団絡(事務所:千代田区、神田敏子事務局長)では、2004年2月28日に、プラザエフ (主婦会館、東京・四ツ谷) において、講師に藤田技術士事務所技術士・藤田哲(ふじたさとし)さんをお招きして、食品表示学習会「偽装表示はなぜ絶えないのか?」を開催しました。

 当日は、消費者団体10名、生協関係10名、企業6社、マスコミ6社、学識経験者などを含む45名の参加者がありました。

 藤田さんの講演は1時間半という限られた時間の中でしたが、何故食品偽装が起こるのか、消費者のための食品表示の重要性、食料の安全等について、わかりやすくお話いただきました。

 参加者との質疑応答の中では、原材料の%表示を求める声や、食教育・大学の分析機関の充実といった話にまで及び、活発な学習会となりました。

<学習会の概要>

◇ 日 時:2月28日(土)13:30〜15:30
◇ 場 所:プラザエフ(主婦会館) 5階会議室
◇ 内 容:「うそのない真正な食品を求めて」
       講師:藤田 哲(ふじた さとし)藤田技術士事務所

☆当日報告要旨はこちら

<質疑応答の概要(全国消団連事務局でまとめたものです)>

※以下のA:はすべて藤田さんです。
Q: 原材料表示の中で、量的表示(%)が必要だとずっと訴えてきた。さらに、現在は不必要な強調表示もある。量的表示が何故できないかと問い合わせると、「原料組成がその都度変わったら大変」という答だった。食品ならば量的な原材料表示は必要ではないのか。いわゆる健康食品=サプリメントも市場に増えており、食品安全委員会のモニターアンケート結果でも40%以上の人が健康食品に関心があるとしているがどのように考えるか。
A: 今は良心的な企業が量的表示(%)を行おうとしている。
健康食品については、今の栄養摂取状況から見てカルシウム等はもっととったほうがいい。健康食品が良いか悪いかではなく、きちんと栄養教育や勉強があった上でそれぞれが選択を行うというのではないか。
   
Q: 日本でもきちんと表示をしなければいけないと思う。本当に表示が担保されるシステムが必要。原産地の出荷量と、実際の販売量との差についても監視する必要があると思うが、欧米ではどうなのか。
A: イタリアのパスタの例では、デュラム小麦の生産量以上のパスタ生産量となっている例があった。公的、私的にかかわらず疑問に思ったら調べることが大事である。分析機関もいくつかあるので、自分がまず動くことが必要である。
   
Q: QUID規制(※)について、現行の%表示をするようになった経過を教えてほしい。
※ECの原材料組成の量的表示(QUID)規制のこと
A: 経過については把握していない。現在は、法制度的には主要原材料の6品目だけで良いのだが、対象品目以外についても表示が行われているのが実態である。
   
Q: 『証拠を分析する』というお話に感銘を受けた。大学で家政学・家政科学を教えている。消費者の側に依って設立した学校は多いはずであるが、設立当時の主旨とは違ったものになっている。実際、研究費は行政や企業側から出る事が多いので、分析や研究のテーマがそちらのほうを向いてしまう。たとえば1万人の消費者が100円ずつ出して、学生を教育する為の資金にすれば良いのではないか。長期的な教育を行い、結果として社会に還元される事が必要である。大学も設立主旨にあった教育ができるようにならないといけないし、そこに消費者も参画してほしい。また、食品の分析はいい加減に行われてはいけない。科学的な見地が必要である。消費者の側に立った表示をチェックする為のもう一つの組織ができたとしても、互いに科学的な証拠を持って議論することが必要である。
A: 女子栄養大学の館林先生が果汁の分析をされたときには、偽和の商品が多く検出し、「果汁20%」や「果汁30%」表示の商品に偽和が認められた。しかし、この報告で研究自体が終了しており、もったいないと思っている。
また、食品添加物は日本では異常に嫌われていると感じている。アンケート調査でも諸外国では35%が「必要」、43%が「概ね必要」と回答しているのに対し、日本では3%が「必要」、25%が「概ね必要」の回答となっている。その理由の一つには、教育の問題があると考える。中等教育の副読本の中に、「食品添加物には発がん性がある」と記載されている。食育というか、せめて中等教育段階できちんとした教育が必要と感じる。
   
Q: 食品添加物については、不必要なものを摂取する必要はないのではないか。そこがきちんと分けて教えられていないのではないか。
A: (不必要な添加物を使わないことは)あたりまえのことである。加工食品で食品添加物を使用しないものはない。豆腐のにがりも(法的には)添加物の扱いとなる。一律に悪者扱いをしているのは日本の特徴である。
   
Q: 原材料表示は限られたスペースに記載するのが大変であり、一部のメーカーでは、詳細をホームページで紹介する動きもある。現行の原材料表示制度ではごく微量な添加物等について、表示の省略が可能だがどう考えるのか。
A: 欧州では食品添加物などの原材料が登録番号制になっているので、全体的に簡潔な表記が可能となっている。表示は入っているものを表示するということが原則である。アレルギーを持つ人達にとっては、アレルゲンの情報は大切である。登録番号制にしてでも表示すべきと考える。

<この件についてのお問合せ>

全国消団連事務局 (担当:高野)
電話:03-5216-6024