[このページについてのご意見、お問い合わせなどはメールにて webmaster@shodanren.gr.jp までお送りください。]

全国消団連・トップページへ戻る


特別決議

消費者の権利確立のため、「消費者保護基本法の改正」
をはじめとした制度改革を求めます。
 

 私たち消費者団体は、これまで一貫して消費者の権利の確立を求めてきました。しかし、この数年来の消費者被害の急増と多様化や、企業不祥事の多発といった問題を見ると、消費者の権利確立とはほど遠い状況にあり、あらためてその必要性が強く実感されます。消費者を権利の主体者と位置付け、その権利を行使できる環境整備をすすめることが必要です。

 制定されて35年が経過した消費者保護基本法を抜本的に改正しければなりません。私たち消費者団体は、まず、消費者の権利を具体的に明記することを求めます。そして権利の実現をはかるため、行政・事業者の責務と消費者・消費者団体の役割を明確にすること、政策形成過程の透明化と消費者の参画を進めること、省庁横断的・総合的な消費者政策の策定・推進がはかれるよう国の推進体制の抜本的な見直しと補強を図ること、を求めます。さらに、消費者の権利を実現していく諸施策が、計画的・具体的に展開されるよう、基本計画の策定に関する規定も必要です。

 また消費者団体が、事業者の不当な約款や勧誘行為などを差し止め、消費者被害の損害賠償を求めることができるよう、消費者団体訴訟制度(団体訴権)が必要です。司法制度改革推進計画では、団体訴権について個別法ごとに検討を行うよう決定しています。国民生活審議会でも、団体訴権の必要性が確認されています。消費者契約法や景品表示法をはじめとした個別法において、団体訴権の導入を早期にすすめることを求めます。

 さらに消費者が被害の補償を求めるために、司法制度は私たちが利用しやすいものに改革されなければなりません。私たち消費者にとって訴訟を提起することを困難にする弁護士報酬の敗訴者負担の導入には、引き続き反対していきます。

 企業不祥事の多くが企業内部からの告発によって、明らかになったことからも、内部告発者を保護する法律は必要です。しかし、国民生活審議会が提言する「公益通報者保護制度」には、保護の対象となる通報の範囲が狭く、通報者の範囲も限定されているという問題があります。また、通報先に関しては、事業者・行政機関以外のマスコミや民間団体などへ通報した場合に、保護の対象となりにくい制度となっています。これらの点を修正するべきです。

 消費者保護基本法の抜本改正をスタートとして、消費者の権利を実現していくための制度改革が必要です。消費者団体は、消費者の権利実現に向けて、自らの力を強めていくこととあわせて、これらの政策の具体化に対して政策提言を強めていきます。

2003年11月18日
第42回全国消費者大会・全体会

前のページへ